仮面夫婦だったけど…“離婚”に発展したきっかけ #4「怒りは今も消えない」

互いに関心も愛情も持たず、結婚生活を続けているけれど形だけになっているのが仮面夫婦。

進歩がなく退化ばかり目立つつながりでも何とかやっていたけど、何かのきっかけがあれば離婚に発展するのはやはり夫婦の絆がないから。

それでも、離婚は大きなエネルギーを使う決断、決して簡単ではありません。

仮面夫婦が離婚を選ぶのはどんなときなのか、実際のケースをご紹介します。

「夫とは、仕事の多忙さを理由にベッドで過ごすことを断られてからスキンシップがなくなり、レスだとわかった頃には家庭内別居のような状態になっていました。

私は拒否された側だから仲直りをするなら夫のほうからと思っていて、逆に夫のほうはもっと自分をいたわるべきと考えているのは、夕食のときに『疲れた』としつこく繰り返すのを見て感じていましたが、放置していましたね。

夫のほうがストレスが強かったのか、『ひとりでゆっくり寝たい』と言い出して布団を仕事部屋に運んでくれたおかげで、寝室を独り占めできるようになったのはうれしかったですね。

子どもはひとりいますが次の子について話し合う機会もないまま、仮面夫婦状態で三年ほど過ごしました。

離婚のきっかけは夫の不倫で、私も使うクルマなのに口紅のついたドリンクのカップが車内に放置されていたり香水の匂いが残っていたり、また行き先を告げずに出ていくことの増えた夫を見てピンときました。

腹が立ったのは、クルマのナビをチェックしたら残っていたルートから郊外のラブホテルに行ったことがわかったときで、周りに何もないので行き先について言い訳のしようがない有り様、『こんなものを残すほど夫は私を軽く見ているのだ』と思ったときの怒りは今も消えません。

同時に離婚が頭をよぎり、今まではお互い別れるきっかけになるようなミスがなかったけれど、夫の不倫は私が被害者で離婚ができるまさに『渡りに船』でした。

それをスマホで写真に撮り、証拠として突きつけたら夫はあっさりと不倫を認めました。

想像通り『君が相手をしてくれないから』と夫は私のせいにしてきて、慰謝料も払うつもりはないと言うので『弁護士に相談する』と返したら慌てたように謝罪してくるのが滑稽でしたね。

相談した友人からの勧めで会話は録音しており、それを持って弁護士のもとに行くことを告げたら夫は渋々と慰謝料の支払いと離婚を認めました。

不倫相手については、『マッチングアプリで知り合った女性で二回しか会ってない』と夫は言うけれど、突き止めるのも嫌悪感がすごく、追求しませんでした。

夫の有責で離婚でき、親権も争わなかったのでほっとしましたね」(女性/35歳/総務)

「離婚はしたいけれど互いに原因がない」という仮面夫婦は多く、そんなときに発覚する配偶者の浮気や不倫は見逃せない「事件」。

こちらのケースでは夫があっさりと不倫を認めたため、発覚から離婚までが早く慰謝料の支払いもスムーズでした。

仮面夫婦からの浮気や不倫はよくあることですが、それがバレたときは自分が有責配偶者となり大きなダメージを負う可能性を、忘れてはいけません。

(ハピママ*/ 弘田 香)

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