このままでは新リーグ最下カテゴリーに… バスケB2青森ワッツ、成績好調でも集客苦戦

3日に県武道館で行われたワッツのホーム戦。1階は空席も目立った(🄫AOMORI WAT'S)

 プロバスケットボールBリーグ2部(B2)の青森ワッツ。今季は東地区3位(10日時点)と好位置につけるが、堅調な成績と裏腹にホーム戦の入場者数は伸び悩んでいる。1試合当たりの平均入場者数はB1、B2全38クラブ中、下から2番目の1225人(同)。2026年にトップカテゴリーの「Bリーグ・プレミア」など新リーグへの移行を控える中、プレミア参入要件の一つである「平均入場者数4千人」に遠く及ばない。現状では一つ下のリーグ参入すら厳しく、関係者が危機感を募らせている。

 今月3日、弘前市の県武道館で行われたワッツのホーム戦。1313人の観衆が熱戦に声援を送った一方、1階ベンチ裏の指定席は空席が目立った。ワッツの今季平均入場者数は昨季の1004人を上回っているが、八戸市とむつ市では千人を切る試合も。クラブを運営する青森スポーツクリエイションの北谷稔行社長は「相当やばい数字です」と表情を曇らせる。

 Bリーグが26年に始める新たなリーグは「Bプレミア」を筆頭に「Bリーグ・ワン(Bワン)」「Bリーグ・ネクスト(Bネクスト)」の三つ。成績による昇降格を廃止し、チームの経営力に応じてカテゴリーを分ける。参入には一定数の観客席を備えたアリーナの確保や入場者数、売上高などの項目をクリアする必要がある。

 北谷社長によると、最大の課題は入場者数。プレミアは26年参入を前提に昨季と今季、Bワンは今季の入場者数が審査対象だ。ワッツの現状ではBワンの要件「平均入場者数2400人(1500人で仮ライセンス)」すら達成できず、新リーグは最も下のBネクストになるという。

 今季の入場者数の苦戦について、X(旧ツイッター)上では、観戦チケットの値上げのほか、土日開催が多い2連戦の初日、開始時間がこれまでの夜から日中になり、部活動の高校生らの観戦が難しくなったことを指摘する声もある。

 北谷社長は「トップリーグでのプレーを想定すると、この(値上げした)金額が適している」と説明。開始時間も冬期間の試合    などに配慮した結果-と理解を求める。一方、今季は家族連れ向けのイベントにも力を入れており、今後はスポンサー企業などを通した招待事業や県内の他のプロスポーツチームとの連携も一層進め、入場者数の底上げを図る。

 16、17日は今季初の青森市開催。北谷社長は「試合以外でも楽しめる工夫をする。見応えのある試合は約束できる」と話した。

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