中学校体育館新設工事で疑義 茨城・かすみがうら市議会 調査特別委を設置

追加工事を巡り市議会が調査特別委を設置したかすみがうら市立下稲吉中の屋内運動場=同市下稲吉

茨城県かすみがうら市議会は12日、市立下稲吉中(同市下稲吉)の屋内運動場の新築工事を巡り、設計や施工管理、追加工事手続きに疑義があったとして、調査特別委員会(岡崎勉委員長)を設置した。工事関連業者や職員から聴取する方針。工事を担当する市教委は「市長や市議会への説明に不十分な点があった」としている。

調特委設置の決議や市教委の説明によると、体育館と柔剣道場を新設するRC造2階建ての屋内運動場(計2941平方メートル)は、2022年6月に市内外の3社でつくる建設工事共同企業体(JV)が約12億円で落札。同年8月の市議会臨時会で工事請負契約の締結が賛成多数で可決された。

同月の業者と担当職員の会議で、設計段階で必要性が示されなかった地盤改良工事(約1200万円)が追加された。さらにテニスコートの整備を市が計画に追加するなどした結果、計約4500万円の追加費用が発生。追加工事分は今年10月、一括して市長の決裁を仰ぎ、11月に仮契約した。

この間の経過の一部は、市長や市議会に十分説明されないまま工事が進行したとされる。現在、建物はほぼ完成。議会側は発注の変更などを巡り「多くの疑義が生じた」と指摘し、市民が納得できる形で経過を明らかにするよう求めた。

屋内運動場は、生徒増を受けた同校二つ目の体育館として前市長時代に計画された。災害時の避難所の機能も持たせた結果、総事業費は約16億5900万円に膨らんだ。

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