政治資金パー券の購入者名99%は分からず…福井県国会議員の収支報告書を分析、3人で計17回確認

福井県選出国会議員の政治資金パーティーの収入などが記載された政治資金収支報告書

 福井県選出国会議員の関連する政治団体が過去3年に開いた政治資金パーティーで、総収入の99%以上に当たる約1億7千万円分の購入者が分からず、第三者がチェックできないことが12月12日までの福井新聞の調べで明らかになった。政治資金収支報告書は1回20万円以下のパーティー券購入者名を記載する必要がないため。「政治とカネ」に国民の監視が行き届くよう、識者は政治資金規正法の改正を求めている。

 県選出国会議員4人に関連する政治団体の2020~22年の収支報告書を分析したところ、高木毅、稲田朋美両衆院議員と滝波宏文参院議員のパーティーを計17回分確認した。山崎正昭参院議員は開催していない。

 それぞれの開催回数は高木氏3回、稲田氏11回、滝波氏3回。東京、大阪、名古屋のホテルや福井市のフェニックス・プラザなどで開いており、17回分を合わせた総収入は約1億7285万円(1回の平均1016万円)だった。

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 政治資金規正法は1回のパーティーにつき、20万円を超える購入者の氏名・団体名や金額、日付、住所などを収支報告書に記載するよう義務づけている。17回のうち記載があったのは三つの企業・団体のみで計110万円分、総収入の0.6%にとどまった。

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 大半の購入者が分からない実態に対し、自民党派閥による政治資金パーティーを巡る問題を刑事告発した、神戸学院大学法学部の上脇博之教授(65)は「法律の欠陥だ」と指摘。企業と政治家が互いの関係を隠せることで癒着が生じたり、売り上げの全体像が見えないことで裏金の温床になる可能性があったりするとし「透明度が高くなるようにし、国民によるチェックができるようにしないといけない」と話した。

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