リカルド「アルファタウリF1はもはやジュニアチームではない」チームは正しい方向に進み、モチベーションも高いと語る

 ダニエル・リカルドは、アルファタウリはもはや“ジュニアチーム”ではなく、2024年には新たなステータスを示すことができるだろうと考えている。

 レッドブルの姉妹チームは、長い間レッドブルの若手ドライバーの足がかりであり、彼らがランクを上げるまでに最高のレベルでスキルを磨く機会を提供してきた。しかしアルファタウリは今年の夏に、239回のグランプリ出走経験があるリカルドを起用するという、新たな方向性を打ち出した。そして2024年、34歳のリカルドとチームメイトの角田裕毅は、2006年にトロロッソとして初シーズンを迎えて以降チームが擁したラインアップのなかでも、最も経験豊富なドライバーペアとなる。

2023年F1第23戦アブダビGP ダニエル・リカルド&角田裕毅(アルファタウリ)

 リカルドと角田の存在は、チームの経営再編とアイデンティティの変更も相まって、チームの新たな時代を表している。チームはレッドブルのジュニアチームとしての立場を脱却し、自分たち自身を競争力のある勢力として確立しようとしている。リカルドの経験と角田の才能とともに、チームはこの目標を達成するポテンシャルを秘めている。

「僕たちは正しい方向へ進んでいると感じている」とリカルドは語った。

「正直なところ、僕がチームに提供したあらゆるフィードバックは、彼らが対応を取るかベストを尽くして実現し機能させていると思う。率直に言って、今のところこれ以上のことは望めない。今はどれだけ早く新パーツをマシンに投入できるかといった状況にあることははっきりしている」

「上の立場から言うようなことはしたくないけれど、彼らの頭は正しい場所に向いていると思う。僕たちはみんなある意味で正しい方向にいて、先を見据えていると感じているよ。彼らは僕の経験を高く評価しているし、そうしたことはとても重要な進歩だと思う。彼らのモチベーションは高い」

「ここはもはやジュニアチームではないと感じている。来年に向けた多くの計画があるし、それをコース上で証明してもっとポイントを獲れるよう願っている。最後の数戦でそうしたようにね」

 リカルドは、チームの進歩は彼らのなかに確かな自信を植え付けたと感じている。

「僕にとって戻ってくるのはとてもエキサイティングなことだった。チームは再編中だと思うけど、僕のキャリアのなかで経験してきた段階の感じに少し似ている。だから僕たちはみな同じような道を歩んでいる」

「大きな自信があると思う。それに裕毅は彼のシーズンで大きく進歩し、彼の力を証明したと思う」

「チームは僕をとても信頼してくれていると思う。彼らは僕のことを元マクラーレンのドライバーでそこでの結果を持つ者としてではなく、レッドブルのドライバーでそこでの結果を持つ者として見ている! だから僕たちはみんな良い場所にいるんだ」

2023年F1第20戦メキシコシティGP ダニエル・リカルド(アルファタウリ)

 シーズン終盤に急上昇したものの、アルファタウリはF1コンストラクターズ選手権でウイリアムズから7位を奪うにはわずか3ポイント足りなかった。しかしリカルドによると、そのポイント不足が2024年に向けたチームの明るい考えを損なうことはないという。

「もちろん僕はシーズン前半にはいなかった。でもチームが好転した方法とアップデートがあるし、裕毅と僕が互いにプッシュしたということもあると考えたい。それはチームにとってポジティブなことだった」

「だから来年に臨むにあたって、チームが興奮できることはたくさんあると思うよ。もちろん(選手権の)7位は素晴らしい。その数戦前は、10位でフィニッシュできないかもしれないと話していたんだから。だから7位はボーナスのようなものだった。そのことが来年戦うためのさらなる力をくれた」

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