インドネシアの女性ヒーロー映画『スリ・アシィ』主演俳優&監督インタビュー到着! イコ・ウワイスのスタントチームも協力した撮影秘話

『スリ・アシィ』© 2022 SCREENPLAY BUMILANGIT PRODUKSI. All Rights Reserved.

インドネシア発のコミックが原作のスーパーヒーロー映画『スリ・アシィ』が、2023年12月15日(金)より全国順次公開。このたび本作に主演する国民的女優ぺフィタ・ピアースと、注目の女性監督ウピのオフィシャルインタビューが到着した。

インドネシアの気鋭監督×国民的女優インタビュー

本作は、インドネシアのエンターテイメント企業、ブンミラゲットが「マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)」に倣い開始した、「ブンミラゲット・シネマティック・ユニバース(BCU)」より誕生したスーパーヒーロー映画。1954年に誕生したコミックが原作で、インドネシア初のスーパーヒーローである女性ヒーロー“スリ・アシィ”が登場する。

このインタビューでは、次世代のインドネシア映画を担う監督ウピと、インスタのフォロワー1800万人超えの人気女優ぺフィタ・ピアースが、制作までの経緯やインドネシア・ヒーローならではの魅力、初めてヒーロー映画に挑むことになった心境などをそれぞれ語っている。

ウピ監督「インドネシアの文化は神話・迷信・転生・超自然的な力に由来している」

―本作はインドネシアで初めて誕生したヒーローの映画化ということですが、制作が決まった際はどのようなお気持ちでしたか? また、制作までの経緯を教えていただけますでしょうか。

ウピ監督:.<ブンミラゲット>のスーパーヒーローの世界を継承する監督に選ばれて嬉しかったです。最初のスーパーヒーロー映画『グンダラ ライズ・オブ・ヒーロー』(2019年製作)は、かなり暖かく迎えられました。

“ヒーロー映画”というジャンルは、インドネシア映画界では一般的なジャンルとして存在しません。なので、私はこのオファーを受けたとき興奮しましたし、特に、インドネシア初のスーパーヒーロー・コミックが原作で、女性のヒーローが主人公だという点に胸が高鳴りました。

私が選ばれた理由としては、これまでアクションの要素を取り入れた映画を撮ってきたという実績が評価されたのでしょう。また、スリ・アシィは女性のスーパーヒーローなので、女性の視点から映画を作りたかったのかもしれません。率直に言うと、スーパーヒーロー映画を作るというのは、作り手だけでなくインドネシアの映画産業そのものにとっても挑戦なのです。

―インドネシアのヒーロー映画の魅力は、どのようなところだとお考えですか?

ウピ監督:世界のスーパーヒーローが未来的で高度なアプローチを用いるのに対し、インドネシアのスーパーヒーローのアプローチは文化的です。私たちの国の文化は神話・迷信・転生・超自然的な力に由来しています。それがハリウッドとインドネシアのスーパーヒーローの違いであり、魅力です。

―正義感が強くかっこいいアラナは、インドネシアの第一線でご活躍されている監督とどこか近しい人物像なのかなと、勝手ながら想像しました。ご自身とアラナを重ねた部分はあったのでしょうか?

ウピ監督:そうですか(笑)。それは考えたこともなかったですね。そうですね、私もアラナもブーツを履くのが好きだし、正しいとわかっているときには恐れずに行動します。そういったところが彼女と似ているかもしれないですね(笑)。

「好きなヒーロー映画はノーラン監督の『バットマン』3部作」

―監督は、もともとヒーロー映画はお好きでしたか? 参考にした作品などございますでしょうか。

ウピ監督:私は正直言って、ヒーロー映画のファンではありません。映画館で映画を見ようと思っても、このジャンルの映画はまず選ばないと思います(笑)。私の好きなヒーロー映画はクリストファー・ノーラン監督の『バットマン』3部作です。ストーリーがとても人間的で、アクションばかりではないところが好きですね。

―ぜひ今作を今後のBCU作品が盛り上がるきっかけにしたいと思います! 最後に日本のヒーローファンの方々に、メッセージをお願い致します。

ウピ監督:映画『スリ・アシィ』が日本でも受け入れられ、ヒーローファンのみなさんの心を掴むものであるよう願っています!

ペフィタ・ピアース「ウワイス・チームの指導を受けることができた」

―オファーが来た時のお気持ちを教えて頂けますでしょうか。

ぺフィタ: 『スリ・アシィ』は<スクリーンプレイ・ブンミラゲット>が手掛けており、彼らは、私がこの役を演じきることができると信じてくれていました。正直なところ、私には彼らが想像しているものが見えませんでした。それは彼らを疑っているわけではなく、「なぜ私が?」という疑問があったのです。

しかし、自分自身ができるとは思ってもいなかった仕事を引き受けるほどに、誰かが自分のことを信じてくれていたという事実は、本当に希望をもたらします。これは、新しいコンセプト、トピック、パッケージで、業界最高の人たちと作り上げる、インドネシア映画界での新たな試みであるという意識を持っていました。

―スピード感あふれるアクションシーンはとても印象的でした。アクションをするにあたって、どのような準備をされましたか?

ぺフィタ:私は過去に格闘技の経験はありませんでした。戦ったこともないし、格闘シーンの振り付けをこなしたこともありません。なので、本当にゼロからのスタートでした。でも、今作のアクションチームであるウワイス・チーム(※イコ・ウワイスが率いるスタントチーム)に助けられ、指導を受けることができたので、頼りになる方々とともに安心して撮影に臨むことができました。

また、アクションシーンの準備をするにあたって、シラットの基礎を学び、体を作り、他の種類のスポーツを通じて持久力を鍛えました。ウワイス・チームと一緒にビデオコンテも準備したので、どういう画を撮りたいか正確に把握することができました。

「勇敢で正義を貫く覚悟があり、自分自身よりも他人のことを優先する人」

―原作はご覧になりましたか? また、原作のある作品を演じる上で心掛けたことはありますか?

ぺフィタ:はい、読みました。原作を読んで学んだこと、考えたこと、経験したことをすべてウピ監督と共有し、話し合い、そこからアラナのキャラクターを一緒に作り上げていきました。

―女神から選ばれし者だけがスリ・アシィになれますが、どのような人物が選ばれるのだと思いますか?

ぺフィタ:勇敢で正義を貫く覚悟があり、自分自身よりも他人のことを優先する人だと思います。

―以前、日本食がお好きだと仰っていたインタビューを拝見しました。現在もお好きですか? また、お好きな日本の食べ物はありますか?

ぺフィタ:私は日本食が大好きで、日本食レストランにもよく行きます。好きな日本食は、寿司と刺身です。どちらも健康的で美味しいので大好きです。

―日本にご来日されたことはありますか?行ってみたいところなどあれば教えてください。

ぺフィタ:はい、何度か行ったことがあり、行くたびに、機会があればまた行きたいと思っています。

―最後に日本の観客の方々にメッセージをお願いします!

ぺフィタ:スリ・アシィを演じられたこと、そしてこの映画が日本で公開されることを光栄に思います。インドネシア初の女性スーパーヒーロー映画であり最高傑作である本作をご覧いただき、楽しんでいただけることを願っています。

『スリ・アシィ』は2023年12月15日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開

© ディスカバリー・ジャパン株式会社