【有馬記念】ドゥラエレーデ回避に“ニヤリ”の陣営とは……「イクイノックス不在で復権へ」

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有馬記念(24日、中山芝2500m)に出走登録しているドゥラエレーデ(牡3、栗東・池添学厩舎)は同レースを回避し、東京大賞典(29日、大井ダ2000m)が本線であることがわかった。前走チャンピオンズカップ3着に続くダート戦への参戦となる。

イクイノックスの電撃引退、リバティアイランドの回避で混戦ムードが漂う暮れのグランプリ。出走登録馬のうち、レース展開を大きく左右する1頭が出走を回避した。

昨年のホープフルS勝ち馬で、今年のチャンピオンズカップで穴をあけた先行馬ドゥラエレーデ(牡3、栗東・池添学厩舎)だ。

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■人気勢が差し馬多数「今年は前残りか」

徹底先行のスタイルで好走を積み重ねてきたドゥラエレーデ。有馬記念と東京大賞典のダブル登録だったが、後者のレースへの出数を本線とすることが濃厚だ。

「今年3月のUAEダービーで2着。そのとき以来のダート戦だったチャンピオンズカップ3着と砂適性は申し分ありません。そもそもドゥラエレーデはホープフルSで芝GI勝利を収めましたが、お世辞にもハイレベルとは言えなかった。2歳未勝利をダートで勝ち上がった馬ですし、東京大賞典への参戦は既定路線だったと思いますね」(競馬ライター)

パンサラッサが参戦した一昨年の有馬記念は先行馬総崩れ。昨年はイクイノックスが早めに仕掛けたことで道中10番手以下を進んだボルドグフーシュ、ジェラルディーナが上位進出をはたした。前を行く馬にとって厳しい展開だったことは明白だ。

「イクイノックス不在で人気上位のなかにタスティエーラ、ソールオリエンスの3歳勢が入るのは濃厚。とはいえ古馬相手の経験はなく、3歳世代のレベルも昨年より低いのでは……との声もチラホラ聞かれています。加えて2頭は菊花賞で後方待機だった馬。おのずと先行馬へのマークは緩むことでしょう」(競馬ライター)

今年の皐月賞は重馬場で10000m通過58秒5の超ハイペース。その展開がハマッたとの見方も考えられる。特殊な一戦だった当時の再現は簡単ではない。

■2017年の再現を……

各陣営の心を揺さぶったドゥラエレーデの回避。同馬の動向を受け、もっとも期待で心が躍ったのがタイトルホルダー(牡5、美浦・栗田徹厩舎)だ。

「この馬が参戦した過去2年の有馬記念は不運でした。2年前は令和のツインターボ・パンサラッサの出走でリズムを崩され5着。昨年は逃げ戦法が叶ったものの、イクイノックスにとって良い目標になってしまいました。もし今回、ドゥラエレーデが出走したとなれば、鞍上にB.ムルザバエフが騎乗する可能性はゼロではないですからね……」(競馬ライター)

ドゥラエレーデとのコンビでホープフルS勝利、チャンピオンズカップ3着と結果を残したB.ムルザバエフ。高配当の使者として穴党から支持を受ける騎手だが、前述のチャンピオンズCはパトロールビデオでも確認できるように、1コーナーにさしかかるまでに他馬を“外に押し出す”騎乗。制裁対象にはならないギリギリの騎乗だった。

「仮にドゥラエレーデがタイトルホルダーより外の馬番を引いた場合、同じような競馬を強いられる可能性があった。結果的にB.ムルザバエフはプラダリアに騎乗予定ですが、ドゥラエレーデとはテンの速さが全然違います。多くの馬は脚を溜めて、自分のリズムを守ろうとするでしょうね」(競馬ライター)

この流れはまさに2017年の有馬記念である。5歳馬キタサンブラックは3年連続のグランプリ参戦。吉田隼人騎手騎乗のゴールドアクターの初GI制覇をお膳立てする形となった2015年、逃げ戦法で3連勝中のマルターズアポジー参戦で番手追走の2016年は展開面でのマイナスが作用したレース。それがラストランとなった2017年はマイペースでの逃げ戦法から有終の美を飾ったというわけだ。

奇しくもタイトルホルダーは今回がラストラン予定。前述のキタサンブラックやリスグラシュー、ジェンティルドンナなどラストランを勝利で飾った5歳馬は少なくない。勢いのある3歳馬や充実期を迎えるジャスティンパレス、凱旋門賞4着馬スルーセブンシーズに牝馬二冠馬スターズオンアースなどライバルは多かれど、この馬が培った経験値と展開利は無視できない。

決戦まであと11日。思わぬ形で降りかかった幸運を背に、タイトルホルダーのラストランへのカウントダウンがはじまる。

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(SPREAD編集部)

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