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メルセデス・ベンツのBEV(電気自動車)は現在セダンで2モデル、SUVで5モデルがラインアップされている。中でもBEVのSクラス、Eクラスというべき「EQS」と「EQE」、そして各々のSUV版を含めた4台は「EVA2」というBEV専用プラットフォームを採用している。その4兄弟の中で最も後発のモデルが今回紹介するEQEのSUVだ。
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「EQE350 4MATIC SUV」はフロア下に89kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載し、一充電走行距離はWLTCモードで528㎞となっている。ちなみにセダンの「EQE350+」はホイールベースが若干長く、バッテリー容量も大きい。しかもリアにモーター1個を搭載する後輪駆動なので、一充電走行距離も624kmと長くなっている。同じEQE 350を名乗っていても、セダンの単なるリフトアップ版ではない。
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EQE SUVのボディはEQCに始まるメルセデスのBEVに共通するヌメッとしたデザインだ。グリル部分は黒く、つやのあるパネルで覆われている。全体のシルエットはこんもりとした小山のようだが、それでも実車を目の前にすると、4880mmという全長が思いのほかコンパクトに見える。
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EVA2の4台に共通するのは、未来的なインテリアの雰囲気である。オプション装備の「MBUXハイパースクリーン」と呼ばれる、一枚もののダッシュパネルに圧倒されない人はいないだろう。また外観に呼応するように室内の造形も丸みを帯びており、どこか優しそうな雰囲気が漂う。
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走りは洗練され、優しささえ感じさせる見た目に見事なまでにマッチしている。これまでのBEVというと一気にパワーを発散させるようなダイレクトな加速感を発揮するモデルが多かったが、スロットルワークに対してジワッと加速がはじまる上品な味付けになっている。
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また回生に関しても、ステアリング裏のパドルで強さを素早く切り替えることができるので、まるでスポーツカーを操る感覚で直感的に扱えるのもドライビングの楽しさにつながっている。
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シャシーに由来する乗り心地も印象的だ。今回試乗したEQE350 4MATIC SUV ローンチエディションは、通常はオプション設定のエアマティックサスペンションを備えているので、乗り心地がフワッと柔らかかった。BEVの長所であるパワフルな部分をいたずらに強調するのではなく、これまで培ってきた“メルセデスらしさ”をBEVで表現したような、そんな仕上がりだった。
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メルセデスのBEVのラインアップの中で、ゴルファーに最適な一台を選ぶとしたらEQE SUVがベストだと思う。見た目やドライブフィールはフラッグシップモデルのEQS SUVによく似ているが、取り回しやすさという点でかなわなだろう。
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また、リアアクスルステアリングの切れ角もライバルに比べて大きい。このためEクラスレベルのボディサイズでありながら、Aクラス並みのドライビング感覚で狭い街中を走らせることができる。
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今回ドライブしてみて特に感心させられたのはバランスの良さだった。すぐに車両感覚に慣れて、扱えるようになる最大のサイズ感だと思う。最初のBEVとして指名買いしてもいいが、「次の一台、何を買ったらいい?」と迷っている人にとってもお薦めしたいテッパンの一台だ。
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メルセデス・ベンツEQE350 4MATIC SUV ローンチエディション 車両本体価格: 1369.7万円(税込)
- ボディサイズ | 全長 4880 X 全幅 2030 X 全高 1670 mm
- ホイールベース | 3030 mm
- 車両重量 | 2630 kg
- システム最高出力 | 292 ps(215 kW)
- システム最大トルク | 765 Nm
- バッテリー容量 | 89 kWh
- 一充電走行距離 | 528 ㎞(WLTCモード)
Text : Takuo Yoshida