女性ヒーロー活躍の鍵は「魔法の力」?セーラームーンに鬼滅の刃…アニメで紐解くジェンダー

アニメのヒーローとジェンダーをテーマに開かれた講演会(向日市寺戸町・永守重信市民会館)

 男女共同参画に理解を深める「自分らしく生きよう!いきいきフォーラム」が9日、京都府向日市寺戸町の永守重信市民会館であった。アニメのヒーローとジェンダーをテーマに、日本アニメーション学会会長の須川亜紀子横浜国立大教授が講演した。

 公募による同実行委員会と市の主催。

 須川教授は、女性ヒーローは以前は補佐的な役割だったが、1960年代に、魔法の力で男性社会の価値を一時的に転換するようになり、90年代には女性が結束して戦う「セーラームーン」に変遷したと分析。2020年代の「鬼滅の刃」の主人公竈門炭治郎は「女性らしさと結びつけられてきた思いやりや弱さを兼ね備えている」と指摘した。

 近年、米国の映画で多様性が重視されている流れにも触れ、「男女関係なく力を合わせて何かを成し遂げるものが人気を博している。今後もアニメに多様性と包摂が表現されるだろう」と述べた。

© 株式会社京都新聞社