横浜F・マリノスの新監督候補に浮上しているハリー・キューウェル氏。
現役時代にはリーズやリヴァプールでプレーし、オーストラリア代表としても活躍した。
引退後にワトフォードのU-23で監督業を始めると、クローリー・タウン、ノッツ・カウンティ、オールダム・アスレティック、バーネットという英下部リーグのチームを指揮。ただ、あまり成績は残せず、2022年からセルティックでアシスタントコーチを務めている。
そんなキューウェル氏の指導への熱意は相当なようだ。2017年の『ESPN』のインタビューでこう語っているのだ。
「僕のコーチングへの情熱は計り知れないよ。恋に落ちたのさ。ハードワークやオーガナイズは大好き。1週間プランを練って、週末に実行するのも大好きさ。若手選手にドリルをやらせたり、プレーの局面を実行させるのも満足感がある。選手が学んだと思えるのが嬉しい。実際、プレーするよりも指導のほうが好きだね」
ワトフォードU-23ではコーナーキックの守備を整備し、「あなたのためにプレーします」と話す選手までいたが、次第に不満を感じ始めたそう。
「レンガの壁に頭をぶつけているような気分だった。ワトフォードのせいではないよ。(トップチームの)監督が私の選手たちを気に入り、トップチームに連れて行ってしまったからだ。選手たちの手伝いが出来ないことにイライラしたんだ」
指導への熱意は、現役時代に怪我に苦しんだことも理由だという。
「そうなったのは自分だけではない。キャリア当初は輝いていたのに、怪我で次第に衰えていったのはね。
でも、それは今では助けになっていると思う。私は怪我を理解している。怪我を乗り越えるために必要な知識や精神的なタフさを共有できる。
ワトフォードのある選手は辛い目に逢っていたが、私はそれを理解して彼が乗り越えることを助けることができた。
ドクターや外科医は大袈裟な言葉を使うので、選手たちが迷ってしまうこともある。受け入れるのが難しいんだ。でも、その場にいて、“サッカー用語”に噛み砕くことができれば、彼らはより理解することができる」
当時ワトフォードで指導を受けたDFトーマス・ポラリディスは「感激した」と話していたそう。
ケガさえなければ…負傷でキャリアが暗転した天才Jリーガー5人
なお、キューウェルが最も影響を受けた監督は、リーズ時代のジョージ・グラハムとガラタサライ時代のフランク・ライカールトだとか。