5年前に起きた西日本豪雨の教訓が冊子に 被災経験者が綴る思いとは 岡山【こつこつ防災】

防災の話題を伝える「こつこつ防災」です。5年前に起きた西日本豪雨の教訓を伝える冊子が11月に出版されました。冊子に込められた思いとは?

11月15日に出版された「雨のち、どうする?」。製作したのは、岡山県倉敷市真備地区で福祉と復興支援に取り組む一般社団法人の「お互いさま・まびラボ」です。

(一般社団法人 お互いさま・まびラボ/多田伸志 副代表理事)
「前に『川と暮らす』っていう本を作ったんですけど、それが発災から1年半までのものだったんですが、5年、ひとつ節目かなと思いまして、2つ目の冊子づくりを迎えました」

「雨のち、どうする?」には、2018年に起きた西日本豪雨の被災経験から学んだ災害時の知恵やアドバイス、発災後5年間の復興に向けた活動などが、イラストや写真、わかりやすい言葉で書かれています。

例えば「逃げる」では、ハザードマップで避難所を確認することや、近所の人などに声をかけて一緒に避難することなどを呼び掛けています。

また、多田さんは、この冊子を、災害時に自分で危険から身を守ることが困難な要配慮者や子ども、高齢者などが安心して暮らせる町づくりにも役立ててほしいと考えています。

(一般社団法人 お互いさま・まびラボ/多田伸志 副代表理事)
「何かのハザードがあった時に、あの人大丈夫だろうかって気にし合える関係、助けてって安心して言ってもらえる関係性をどれだけ作っておくかってことが勝負だと思っています。そういう町になっていったらいいなと思っています」

そして「伝える」という項目では、「川と暮らす公園がほしい」という住民の意見もあります。

(一般社団法人 お互いさま・まびラボ/多田伸志 副代表理事)
「小田川って、僕たちの町を沈めた川でありますけど、堤防強化も含めて、ここへ防災公園をいま整備して、今年度末の完成予定を目指して頑張って作ってくださっています」

西日本豪雨の教訓を伝える「雨のち、どうする?」は、3000部配布する予定です。詳しくは「お互いさま・まびラボ事務局」(090-4653-1150)へお問い合わせください。

(一般社団法人 お互いさま・まびラボ/多田伸志 副代表理事)
「被災していろんな苦労もいっぱいありますけど、多分きっとこの町は、この経験をもっといい町にしていく糧にしていかれるんじゃないかという気がしています」

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