クマの人的被害、12月も岩手で続く 冬ごもり遅れている可能性

40代男性が5日にクマに襲われた現場。12月に入っても県内の人里で被害が起き、専門家が引き続き警戒を促している=大船渡市立根町関谷

 岩手県内の人里で、12月に入ってもクマによる人的被害が起きている。暖冬や餌不足を主な背景に人の生活圏に出没し、2人が負傷。目撃情報もいまだある。県によると過去10年の師走に人が襲われけがをしたのは、山中で起こったわずか1件だった。専門家は「アーバンベア」と呼ばれる都市型クマの冬ごもり(冬眠)が遅れている可能性を指摘し、引き続き警戒を促している。

 12日午後7時半ごろ、滝沢市湯舟沢のあすみ野中央公園付近の住宅街で、通行人が成獣とみられるクマ1頭を目撃。人に危害を加えないよう盛岡西署などが警戒に当たった。

 大船渡市立根町関谷の市営住宅駐車場では5日早朝、40代男性がクマに襲われ頭などをけがした。立根小に程近く、民家やアパートが立ち並び、集団下校する児童たちの姿があった。

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