虚偽の「盗用」投稿に賠償命令 アニメ監督への名誉毀損

 作品を盗用されたとする虚偽のメッセージで名誉を毀損されたなどとして、アニメ「少女革命ウテナ」などを手がけた幾原邦彦監督がメッセージを送った女性に440万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁立川支部は13日、121万円の支払いを命じた。

 判決理由で加藤紀子裁判官は「複数の違法行為を行っているとする電子メールを送信されるなどし、社会的評価や信用に与えた影響は大きい」と指摘した。

 判決によると、2022年4月、幾原氏の知人がアニメに登場するキャラクターを描いて交流サイト(SNS)に投稿したところ、女性から「自分の絵をトレースしている」とのメッセージが来た。取り合わなかったが、女性が幾原氏の取引先に「盗用だ」とするメッセージを多数送るなどし、業務を妨害された。

 判決後に記者会見した幾原氏は、こういったクリエーターへの迷惑行為は数多く存在すると指摘し「今回のような判例があることを知ってもらうことに意義がある。迷惑行為から逃げることはないし、闘うべきだと分かってもらえると思う」と話した。

© 一般社団法人共同通信社