高濃度の化学物質が検出された問題 化学工場周辺だけでなく別の地区でも検出され波紋広がる 静岡市清水区

静岡市清水区の工場周辺で高濃度の化学物質が検出された問題は、さらに別の地区でも確認された事が12日明らかになり、波紋が広がっています。

静岡市清水区にある三井・ケマーズ フロロプロダクツ清水工場では、「PFAS」と呼ばれる有機フッ素化合物の一種で、発がん性などが指摘される「PFOA」を2013年まで使用していました。

静岡市の調査では工場周辺の水路や民家の井戸から、高い濃度の「PFAS」が検出されました。

市は調査範囲を三保地区以外にも広げるなどして、水質検査を行なってきました。

その結果、工場の付近にある三保雨水ポンプ場の排水から
国の目標値の最大220倍の濃度のPFASが検出されたことが、
12日明らかになったのです。

静岡市 難波喬司市長 静岡市役所 12日:
「雨水ポンプ場から出ている濃度が非常に高いということがわかりました。これは非常に大問題であるというふうに思っております。」

原因としては、高濃度のPFASを含む、工場内の地下水が、
何らかの理由で雨水が通る水路に入り込んだため、高い濃度が検出されたのではないかと推定しています。

栗田麻理アナウンサー 静岡•清水区
「静岡市清水区三保にある化学工場から数キロ離れたこちら折戸、駒越地区の井戸水からも目標値を超える値のFFASが検出されたと言うことです。」

この理由について、難波市長は1つの可能性を示唆しました。

静岡市 難波喬司市長 静岡市役所12日
「煙突等を通じて排出されたのかという、どちらかいうと、大気を通じての飛散の可能性が高いんではないかなと推定されますけれども。」

市の調査によると、三保地区の淡水井戸11カ所で1リットル当たり100~1700ng(ナノグラム)。

折戸地区の淡水井戸2カ所で170~360ng(ナノグラム)。

駒越地区の淡水井戸3カ所で150~210ng(ナノグラム)のPFASが検出されたといいます。

静岡市 難波喬司市長 静岡市役所
「水道水を飲んでいる限りは、健康への影響はないと思われますので、過度なご心配はいただかなくてよいと思いますけれども、やはりそうはいいながら、不安がおありになると思います。したがって、しっかりとした情報を提供してまいります。」

住民からも不安の声が聞かれました。

こちらの家では家庭菜園で井戸水を使用しています。

取材をした日も、市の水質調査を受けたそうです。

井戸水を使って家庭菜園をしている人(静岡市清水区)
「ここに井戸があるんですよ、10m掘ってあってここのポンプでくみ上げている」
「使うときは水道と同じで圧がかかった状態なので使えば圧が下がってポンプが動く。」

Q今回の調査ではこの水を検査した?

「そうですね、そこから採取してもらいました。」

井戸水を使って家庭菜園をしている人:
「収穫した野菜は家でも食べるし、無尽販売でも販売しているので、その問題が気になる。」

「発がん性が低い。ほとんどないと言っているが、販売しているのでそこは気になっているので、市に依頼して今回検査を受けた。」

2週間前に検査を依頼し、結果が出るのはおよそ1カ月後だといいます。

新たに高濃度のPFASが検出された、折戸、駒越地区の住人は…

駒越地区 周辺住人:
「駒越であったというのはきょう初めて聞いた。自分よりも若い人、子どもとか赤ちゃんとか、そういう人は困るだろう」

折戸地区 周辺住人
「やはり怖い。今後5年、10年先を考えた時にそれ(PFAS)をどういう風に薄められるのか、綺麗にできるのか、自然に戻せるのであればそういったことを考えて(市は)努力していく必要があるのでは。」

© 静岡朝日テレビ