ダカールラリー挑戦のダチアに5冠アル-アティヤ加入へ。ローブ、グティエレスに続く3人目

 12月12日、ルーマニアの自動車メーカーであるダチアは、ダカールラリーで通算5回の優勝経験を持つ“現王者”ナッサー・アル-アティヤを、同ブランドのラリーレイド・チームに迎えると発表した。

 ルノー傘下にあるこのメーカーは2025年のダカールラリーに出場し、世界でもっとも過酷ともいわれるラリーで優勝することを目標に掲げている。

 W2RC世界ラリーレイド選手権の2連覇王者であるアル-アティヤ。“砂漠の王”の異名をとる52歳の彼は、2003年以降のMERCミドルイースト・ラリー選手権において、今季2023年シーズンを含め通算19回のシリーズタイトル獲得を誇る。またWRCのサポートカテゴリーであるWRC2クラスでも2014年から2連覇を果たした。

 ダカールラリーでは、2011年に前年覇者のカルロス・サインツを破って自身初優勝を記録。その後2015年、2019年、2022年、2023年に総合優勝を飾り、来月サウジアラビアで開催される2024年大会には相棒のマシュー・ボーメルとともに自チームのナッサー・レーシングから『プロドライブ・ハンターT1+』を駆って3連覇に挑戦する

 アル-アティヤとともにダチア入りするボーメルもまた、ダカールラリーで過去4勝を記録している。さらにW2RCで2度、WRC2で1度、MERCで9度合計12回のシリーズタイトル獲得経験を持ち“レジェンド”と言って過言ではないコドライバーだ。

 彼らは、すでにダチアへの加入がアナウンスされている元WRC世界ラリー選手権“9連覇王者”のセバスチャン・ローブ、女性ラリードライバーのクリスティーナ・グティエレスとともにルーマニアメーカーのチームに合流し、2024年から本格的なテストを開始する。

 合成燃料で走るダチアのプロトタイプに乗り込むアル-アティヤ/ボーメル組、ローブ/ファビアン・ルルキン組、グティエレス/パブロ・モレノ・ウエテ組、3つのペアの共通目標はもちろん、ダカールラリーでの優勝だ。それに先立って行われるテストはモロッコ・ラリーが予定されている。

TOYOTA GAZOO Racingの『GRダカールハイラックスT1+』で2022年と2023年のダカールラリーを制し、同年のW2RC世界ラリーレイド選手権で2連覇を達成したナッサー・アル-アティヤ(右)とマシュー・ボーメル(左)組
ダチアから2025年のダカールラリーを含むW2RC世界ラリーレイド選手権に参戦する、セバスチャン・ローブ(左)とクリスティーナ・グティエレス(右)

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