ヘタフェにレンタル中グリーンウッドの契約詳細が判明…リスク承知で受け入れたヘタフェに優位な条項

ヘタフェでキャリア再生図るグリーンウッド[写真:Getty Images]

マンチェスター・ユナイテッドからヘタフェにレンタル移籍中の元イングランド代表FWメイソン・グリーンウッド(22)の契約の詳細が判明した。イギリス『The Atletic』が報じている。

ユナイテッド生え抜きの逸材アタッカーとして将来を嘱望される存在だったグリーンウッド。しかし、2022年1月に強姦未遂などの容疑で逮捕。活動が停止させられた。

自身のスポンサーであったナイキとの契約が解消されたほか、クラブからも謹慎処分を受け活動停止。しかし、2023年2月に英国王立検察局(CPS)が「もはや有罪判決の現実的な見込みは無い」と結論付け。訴訟が取り下げられた。

しかし、女子チームやサポーターズトラストなど関係各所からの反発などもあり、最高経営責任者(CEO)であるリチャード・アーノルド氏やグリーンウッド、その家族らとの最終協議の結果、最終的にユナイテッドでのキャリア継続を断念。その後、9月初旬にヘタフェへの1年間のレンタル移籍が発表された。

その新天地では、ここまで公式戦13試合4ゴール3アシストを記録。1年半以上のブランクによって本来のパフォーマンスには至らないものの、徐々にコンディション、試合勘を養ってきており、完全復活ももう間もなくという状況だ。

グリーンウッドとユナイテッドの現行契約は2025年までとなり、1年の延長オプションも付帯するが、クラブは今季終了後に完全移籍での放出を検討しているという。

そういった場合、有力な移籍先は現在プレーしているヘタフェとなる。そして、ヘタフェは完全移籍で獲得する意向を持っているが、獲得に動く際にはユナイテッドが要求する移籍金のうち、80%の支払いのみで済むという。

『The Atletic』によると、ユナイテッドはグリーンウッドのレンタルでの放出を決断した際、国内外の多くのクラブに話を持っていったものの、世論やファン・サポーターからの反発のリスクによってオペレーションは難航を極めた。

そういったなか、リスクを承知でグリーンウッドを受け入れたヘタフェに対して、ユナイテッドは無償レンタルに加え、将来的に他クラブに移籍した際の移籍金20%を支払う条項を契約に盛り込んでいたという。これにより、マドリードのクラブは要求額の80%の支払いでの買い取りか、レンタル終了後に同選手が他クラブに移籍した場合も20%の移籍金を受け取れることになっているという。

なお、ヘタフェのアンヘル・コレス会長は、グリーンウッドの去就に関して以下のようにコメントしている。

「価格についてはまだ話していない。マンチェスターの株式所有権の変更もあったため、状況を見て彼らが提案するものを見ることについて話した」

「しかし、我々は彼らとのミーティングやビデオ会議に今でも満足している。もう1シーズン続けるか、あるいは彼らが価格を提案して、我々はパーセンテージを持っているので(契約の)全部をコミットして残りを買うか、どちらかを検討するのはまだ時期尚早だ」

「私は彼を大いに信じている。ここから我々は定期的に仕事を続け、マンチェスターと連絡を続け、彼らが満足しているかどうかを確認する。真実は、ヘタフェのファンだけでなくスペイン全土から彼らの待遇に満足しているということだ。今、我々は彼を守り続けなければならない」

「彼は16カ月間プレーしていなかったが、(来年の)1月か2月にはリズムを掴めると思う。彼は我々に満足を与えてくれるだろう」

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