今年の10人に林克彦氏ら選出 生成AIも、英科学誌ネイチャー

雄マウス由来のiPS細胞から卵子を作製することに成功した大阪大の林克彦教授=1月、大阪府吹田市の大阪大学キャンパス

 英科学誌ネイチャーは、科学分野で話題になった今年の10人に、雄マウス由来の人工多能性幹細胞(iPS細胞)から卵子を作製することに成功した大阪大の林克彦教授らを選んだと13日付の電子版で発表した。10人に加え、「科学に多大な影響を与えた」という観点で、人以外で初めて生成人工知能(AI)「チャットGPT」も選んだ。

 林教授の研究では、雄マウスから作製した卵子を別のマウスの精子と受精させて子も生まれている。ネイチャーは「絶滅の危機にひんしている種を救うのに役立つかもしれない」と評価した。

 チャットGPTは、米新興企業オープンAIが昨年発表し、今年も改良版が登場した。ネイチャーの記事は、論文執筆など研究のさまざまな場面で役立つと指摘。一方で、不正確な情報や存在しない文献をでっち上げる危険性に警鐘を鳴らした。

 この他、オープンAIの共同創設者で、チャットGPTの開発や改良に深く関わってきたイリヤ・サツケバー氏、アマゾンの森林伐採を削減する政策を実行したブラジルのマリナ・シルバ環境相らが選ばれた。

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