富大生の漢方カフェ人気 砺波・栴檀野の交流施設 学び生かし旬メニュー

富大生が切り盛りする漢方カフェ=砺波市宮森新の「せんだんのHILL」

  ●住民の健康増進、にぎわいに 

 少子高齢化と過疎化が進む中山間地域の砺波市栴檀野(せんだんの)地区のコミュニティー施設「せんだんのHILL」で富大医学部、薬学部の学生が毎月1回開く「漢方カフェ」が人気を集めている。大学の学びをアウトプットする場としてメニューを通して健康を一緒に考える機会となっており、常連客も増えて世代を超えて交流が広がっている。住民の健康促進と地域のにぎわい創出にも一役買っている。

 漢方カフェは毎月第2日曜日に開設され、富大医学部や薬学部の学生が新鮮な旬の食材を使って考案した薬膳のメニューを提供している。

 学生は大学で学んだ漢方に関する知識を地域に伝えようと、季節に応じて旬の食材を組み合わせて体に良いメニューを月替わりで考案している。

 12月は体を温め、肌の乾燥を防ぎ、潤いを与えるこを念頭に、先月寄せられた利用客の要望も取り入れながらメニューの開発に取り組んだ。10日のカフェでは、体の水分量を調整し、ビタミンが多く、風邪の予防に効くというユズや白菜などを地元の栴檀野地場産野菜直売所から購入し「薬膳HOTサンド」や「薬膳スープ」などを提供した。

 漢方カフェは昨年6月の開設から地域で口コミで広がり、毎月楽しみに通う常連客らが増えた。栴檀野地区以外からの利用も広がっており、薬膳の料理を食べた客からは「体がポカポカする」「最近、体の調子が良い」などの声が寄せられ、好評という。

 一方で学生は地域の高齢者から甘酒の作り方や食べられる薬草を教わるなど、日常の営みに息づく暮らしの知恵も学んでいる。漢方カフェを切り盛りする富大医学部の宮澤正咲さん(21)は「地域の方から伝承の料理を教わり、一緒に料理を作ってメニューに出していければと思う」と今後の展開に期待した。

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