笑顔届け35年…92歳の名物サンタさんが最後のプレゼント 大喜びの子どもたちに囲まれ感動の“引退”

子どもたちにプレゼントを手渡す高崎さん。奥は大内さん=12月13日、福井県の敦賀市こどもの国
電動カートのそりに乗って登場した高崎さん=12月13日、福井県の敦賀市こどもの国

 福井県敦賀市の名物サンタクロース、高崎三蔵さん(92)=同市=が12月13日、敦賀市こどもの国のクリスマス会に登場した。今回で勇退する高崎さんは、子どもたちに最後のプレゼントを手渡し、「達成感でたっぷり。晴れ晴れとした気持ちで終えられた」と充実した表情だった。

 高崎さんがサンタに扮するようになったのは1989年、孫が通っていた保育園の依頼がきっかけ。他の保育園などにも評判が広がり、多いときは1シーズン8カ所を回ったこともあった。運転免許の自主返納をきっかけに引退を決断し、大内清隆さん(64)=同市=に引き継ぐことになった。

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 クリスマス会には0~6歳の47人とその保護者が参加。全員で「サンタさーん」と呼びかけると、電動カートにトナカイの電飾やクリスマス飾りで仕立てたそりに乗って“高崎サンタ”が登場し、子どもたちは大喜び。大内さんも登場し、2人で「メリークリスマス」と声を上げると、高崎さんが寄贈したクリスマスツリーが点灯した。

 2人は子どもたちと一緒に「あわてんぼうのサンタクロース」に合わせて踊り、おもちゃとお菓子のプレゼントを一人一人に手渡した。35年にわたって笑顔を届けてきた高崎さんは「最後かと思うと目頭が熱くなった。みんなが喜んでくれることが私の健康にもつながった」と振り返った。大内さんは「(高崎さんから)指導をいただきながら精いっぱいやっていきたい」と意気込んでいた。

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