意外な形で大阪・関西万博へ貢献、CO2削減による募金とは

2025年の『大阪・関西万博』で排出される約400万トンのCO2を、府内事業者のCO2削減量で一部相殺する取り組み「もずやんEXPOグリーン募金箱」がスタートしたと、12月13日に開いた大阪府の定例会見で発表された。

定例会見でのフリップより「Jクレジット制度を活用した事業者の脱炭素化の取り組みについて」(12月13日・大阪府庁)

あまり知られていないが、事業者が再生可能エネルギーや省エネ設備を導入することでCO2排出削減が達成された場合、その削減量を国の「Jクレジット制度」に申請し認証されることで「クレジット」として金銭価値を持たせることができる。

ただ、関連部局によると「その申請方法は複雑で費用が数十万円かかるため、ハードルが高いと感じた事業者は申請しないケースがある」と説明。

さらに、いざクレジットとして認証されても売買が成立しないと利益を得ることができないことから、本取り組みでは、府がCO2削減データをとりまとめてJクレジット制度事務局に申請。府が代行することで手間を省き、効率的にクレジット創出につなげられるという。

協力した事業者は府のサイトで公表されるほか、CO2削減量に応じて感謝状が贈呈。認証された際にクレジットは万博へ寄贈され、会場で排出されるCO2排出量の一部と相殺することで、カーボンニュートラル(*)を目指す万博に貢献する。

吉村洋文知事は、「それぞれの事業者だとそれほど大きな量にはならないかもしれませんが、大阪府が取りまとめることで一定の塊になる。1社でも多くの方にご参加いただき、万博後も事業者が増えるようカーボンニュートラルの実現に向けた機運を高めたい」と参加を呼びかけた。

本取り組みは府内に事業所をもつ事業者が対象。参加方法は、『もずやんEXPOグリーン募金箱』ページにて。

*)カーボンニュートラル:二酸化炭素など温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させ、その排出量を「実質ゼロ」に抑えるというもの。

取材・文・写真/岡田由佳子

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