冬の全国大会特集(9) 駅伝女子 大分東明 気分一新で入賞目指す 【大分県】

今年4月に着任した藤井裕也監督が、「全員が秋までに(3000mで)自己ベストを更新するぞ」と、明確で大きな目標を打ち出した。半信半疑の選手もいたが、練習に対する意識づけの重要さを説き、丁寧な指導と積極的なコミュニケーションで、選手に「強くなりたい」という思いをたきつけた。練習メニューに奇をてらったものはない。ジョギングなどの基礎練習を多く取り入れ、練習時間を短くし、練習後の自己管理や自己治療といったセルフケアに時間を割くようにした。

自分と向き合う時間が増えた選手は、体調の変化を感じ取り、練習に向けたコンディション調整ができるようになった。夏を終えた頃には、ほとんどの選手が自己ベストを更新し、藤井監督の言葉に素直に耳を傾けるようになったという。「結果を出させる自信はあったが、実際に数字(タイム)が出たことで、成長を感じることができたのだと思う。表情が明るくなり、練習への向き合い方も変わってきた」と藤井監督。

チームをまとめる安藤七珠(左)と奥本菜瑠海(右)

全国高校駅伝大会の県予選では、前評判は決して高くなかったが、選手は、藤井監督の「いつも通りに走れば絶対に優勝できる」との言葉に後押しされた。1区の奥本菜瑠海(3年)が出足から全開、積極的な走りで独走した。勢いそのままに後続も差を広げ、9年連続12回目の優勝を飾った。続く九州高校駅伝では、同じメンバーでの出走となったが、走順を変えて8位となった。2大会ともサポート役に徹したキャプテンの安藤七珠(同)が「部員9人全員がイケイケな感じ。全国では攻めた走りをして入賞を目指したい」と語る表情は明るい。

藤井監督は「メンバーを固定するつもりはない」という。全国高校駅伝大会でも、出走1週間前まで競わせ、ベストの5人を選ぶつもりだ。2年間、けがで思うような練習ができなかった安藤は「どんな形になっても最後の都大路(全国高校駅伝大会)を楽しみたい」と語り、奥本は「誰よりも速く駆け抜けたい。区間賞を狙いたい」と明確な目標を掲げた。

女子の全国高校駅伝は24日、京都市のたけびしスタジアム京都発着の5区間21.0975kmで行われる。

入賞を目指す

(柚野真也)

© オー!エス! OITA SPORTS