ホンダモビリティランドの新チケットサービスに富士通の技術が導入。今後は「地域のサービス基盤」を目指す

 12月13日、総合電機メーカーとして通信や情報処理システムを手掛ける富士通がプレスリリースを発行し、鈴鹿サーキットやモビリティリゾートもてぎを運営するホンダモビリティランドのチケットプラットフォームに富士通のサービスが導入されたことを発表した。

 鈴鹿サーキットおよびモビリティリゾートもてぎで開催される各レースやイベントのチケットを取り扱う公式オンラインショップの『Mobility Station(モビリティステーション)』。同サービスは、従来の紙チケットを電子チケットに変更することに加え、スマートフォン上でチケットの受け渡しを簡単に行える機能や、公式リセールサービスなどを導入するため、2023年11月に全面リニューアルが行われた。

 そんな“新”モビリティステーションの開設にあたり提供されたのが、富士通のシティプラットフォームサービス『Fujitsu チケット販売Ticket Revolution(チケットレボリューション)』。すでに全面リニューアル終了後には、モビリティリゾートもてぎでは11月18日発売の『New Year HANABI』、鈴鹿サーキットでは12月10日発売の『2024 FIA F1世界選手権シリーズ 日本グランプリレース』チケットから運用が開始されている。

 モビリティステーションへのサービス導入に関しては、モータースポーツ業界でも変革が進むサステナブル社会への取り組みが背景に存在したことを富士通は説明。導入背景について以下のように明らかにしている。

「モータースポーツ業界では、化石燃料からのエネルギー転換が進められており、レースイベントを開催するサーキットにおいても再生可能エネルギーの利用や使い捨てプラスチックの削減、公共交通機関の利用促進による温室効果ガス排出量の削減や、地域貢献など持続可能な取り組みが進められています」

「ホンダモビリティランドはサステナビリティ経営を推進し、モビリティ文化の醸成とモータースポーツ振興、人材育成の実践フィールドを活かして、地球環境や社会課題への対応、持続可能な未来づくりに取り組んでいます」

「中核事業であるモータースポーツ事業では、イベント開催に関わる温室効果ガスの排出量削減に取り組み、2030年にはカーボンニュートラルを目指しています。モータースポーツ振興の取り組みを進めるなか、業務効率化やお客様の利便性向上、データ活用によるマーケティング強化に加えて、環境負荷低減にもつながる電子チケット化を検討していました」

モビリティステーションでのチケット購入ページの画面イメージ

 このような背景からモビリティステーションへ導入されたチケットレボリューション。無事に開設された新モビリティステーションでは、春開催となった2024年のF1日本GPのチケット販売などが順次行われている。さらに富士通は、ホンダモビリティランドのチケットプラットフォームの特長として、以下の3点をポイントに挙げた。

1. ホンダモビリティランドの業務効率化と事業収益向上を支援

 ホンダモビリティランド様の票券管理業務と券売業務を一体化することで、イベント管理や座席ごとの料金設定、販売や精算方法など、チケットに関わるさまざまな業務をシステムで一元管理し、業務を効率化する。

 また、販売状況のデータをリアルタイムで可視化することで、空席の販売機会を創出する販促活動の実行や、多様なデータ分析によりマーケティング施策の立案につなげるなど、販売戦略にのっとったチケット事業を支援していく。

2. 購入者の快適な購入体験を提供

 チケットレボリューションの機能により、チケット購入者はレース日選択、座席選択、決済という最短3ステップで簡単にチケットが購入でき、会場入場までスムーズに実施できる。

 また、購買実績から購入者の好みに合わせた座席選択画面のリコメンドや、観戦イメージを彷彿させる座席からの眺望確認画面の閲覧ができるなど、チケット購入時から新しい体験を楽しむことができる。さらに、本プラットフォームでは購入後の隣席の追加購入や変更、アップグレードのほか、公式リセールを導入する。

3. チケットのペーパーレス化による環境負荷低減への貢献

 従来の紙でのチケット販売の際に発生していた温室効果ガスの排出や、紙、印刷、封入、郵送のコストなどを削減することで、環境負荷低減に貢献する。

モビリティステーションでの座席からの眺望確認画面イメージ

 また富士通は、今後の展開として「ホンダモビリティランドのモータースポーツ振興の取り組みを支援していくとともに、チケットレボリューションが、ホテル、パークといった周辺施設の予約、販売や、MaaS(Mobility as a Service/移動ニーズに対する最適な検索、予約、決済などを一括で行うサービス)連携の機能を持つことで、地域のサービス基盤となることを目指していきます」としている。

「人口減少、高齢化における社会課題に対し、高い機能性とアメニティが共存した新しいまちづくりが求められるなかで、地域住民や観光客に対してキャッシュレスやマルチモーダルなサービス基盤をチケットレボリューションが担うことで、コミュニティの創出や、各種データの収集、分析によるCX(Citizen eXperience/市民・住民体験)の向上を実現していきます」

・ホンダモビリティランドチケットプラットフォーム『Mobility Station』:https://ticket.mobilitystation.jp/
・富士通『チケットレボリューション』:https://www.fujitsu.com/jp/services/business-application-services/innovative-application-services/

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