「宇宙の真理」題材に鮮やかな天井画 豊後高田市の高山寺、構想から5年半かけ完成【大分県】

「宇宙の真理」を題材にした天井画=豊後高田市の高山寺
「宇宙と生命の成長」をテーマにした天井画
船津大乗住職(左)と永武さん

 【豊後高田】豊後高田市小田原の高山寺に、「宇宙の真理」を題材にした天井画が完成した。船津大乗住職(69)が知人の画家に制作を依頼し、構想から5年半かかった大作。「私たちは宇宙誕生からさまざまな縁をもらい、今を生きている。共生と平和を象徴する絵なので、多くの人に見てほしい」と話している。

 天井画の作者は、元写真家の船津住職と50年近い付き合いがある永武さん(76)=福岡県糸島市。本堂にある3部屋の天井に、45センチ四方のスギ板256枚を使い、「花曼荼羅(まんだら)」(縦約3.6メートル、横約14.5メートル)を描いた。

 部屋ごとに「宇宙の誕生」、「宇宙と生命の成長」、「命の惑星の誕生」のテーマに分け、ビッグバンから生命の誕生までを花や虫などの生命力に満ちたモチーフで表現している。制作中に新型コロナウイルス禍があり、疫病退散の願いを込めてアマビエも描いた。

 西洋絵画によく使われるテンペラ画の技法を用いた。卵を顔料に混ぜた絵の具で経年変化に強い。

 永さんは「構想に2年半、描き始めから完成まで3年かかった苦心の作。テンペラ画は数百年鮮やかに残っていくので、訪れる人に愛してもらえたら」と話す。

 高山寺は天台宗。京都の比叡山、東京の東叡山と並ぶ三叡山の一つ、西叡山(572メートル)の8合目に位置している。

 観覧は無料。希望者は同寺(0978.25.4225)まで。

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