雪の事故は海でも…冬本番を前に気をつけるべきこととは【敦賀海保日誌】

積雪により転覆した船舶

♪雪だるまつくろう~ドアを開けて~♪ な~んて数年前に大流行した映画の歌がぴったりの季節がやってきました。

敦賀に住んで数年たったうみまるですが北陸の寒さには全くなれないし、朝は寒すぎて仕事に行くのも一苦労です。 でも冬はまだ始まったばかり。これから冬本番になると寒さも増してきて、積雪による影響なんかも出てきてしまうとなると雪による被害にあわないような対策を立てる必要も出てきます。

皆さんは雪による被害といえば何を思い浮かべますか?

雪による被害といえば、大雪による交通障害、路面凍結による交通事故や歩行者の転倒事故だったり、雪崩やウインタースポーツ中の遭難事故など陸上での事故を思い浮かべる方がほとんどではないでしょうか? ですが、雪よる事故は陸上だけではなく、海の上でも例年発生しています。 海上での雪の事故は、積雪の影響による係留船の浸水や転覆のほか、岸壁や船での除雪中の海中転落などが挙げられます。 ということで今回はこれらの冬場特有の海上での事故を起こさないための対策を考えてみましょう。

まず、対策をとり始めるタイミングについてはもちろん雪が降る前ですよね。車を運転する人が雪の降る前にスノータイヤに履き替えるのと同じことです。対策はなるべく早め早めに準備をすることが大切になります。

積雪による係留船の浸水や転覆を防ぐためには、次の対策が必要となります。 ・船を早めに陸揚げすること ・陸揚げできない場合は船をシートで山型に覆い積雪を最小限とすること ・船内の荷物や重量物を減らしておくこと ・係留ロープの数を増やすこと などが挙げられます。

じゃあ除雪作業中の海中転落における対策はというと、 ・除雪作業に適した服装を着用すること ・救命胴衣を正しく着用し、万が一に備えること ・複数名で作業を行い、転落したとしてもすぐに助けてもらうための準備を整えることが必要となります。

船舶を所有されている方にはぜひ降雪による被害が起きないような対策をどうぞよろしくお願いします。また、知人に船を所有している人がいれば、ぜひこの対策を広めてください。お願いします。 ちなみに過去に発生した積雪によるプレジャーボート等の被害隻数は、 ・平成22年12月に鳥取県を中心とした積雪で353隻 ・平成29年2月に鳥取県から福井県における積雪で69隻となっています。

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皆さんが今冬事故に遭遇しないように敦賀海上保安部では、 ♪ドアを開けて~雪害対策をとった後~雪だるまつくろう~♪ のフレーズを推奨したいと思います。(敦賀海上保安部 うみまる)

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