深刻な皮膚障害発生、「点痣膏」使用中止を 国民生活センターが注意喚起

国民生活センターが注意喚起した「点痣膏」(同センターホームページより)

 国民生活センターは13日、中国製で日本向けに販売されている美容クリーム「点痣膏」に重篤な皮膚障害を引き起こすおそれがあるとして、使用および販売を中止するよう注意喚起した。このクリームを使用して皮膚が熱傷を受けた患者を診察した医師から情報提供があったという。

強アルカリ性、皮膚に塗ると危険

 同センターによると、2023年6月、同センターが設置している「医師からの事故情報受付窓口」に、SNS上の広告を見てインターネット通信販売で購入した、ほくろ、いぼ、しみ等が取れるという、海外製の「点痣膏」(中国語読みで「ディエンジーガオ」)というクリームを顔面のほくろにつけたところ、化学熱傷を負ったという事故情報が寄せられた。

「顔面のほくろに塗ったところ、直後に熱くなって痛みを感じた」「20分ほど放置すると腫れ、皮膚の色が変わった」「顔面のしみ周辺に塗り広げて擦ると皮膚がむけて痛みを感じ、皮膚が変色した」との症状があり、化学熱傷で治療見込みは1年以上という、深刻な事例だった。

 同センターにはこれとは別に同じ銘柄名である「点痣膏」というクリームについてテスト依頼が2件あり調べた結果、いずれも強アルカリ性で、皮膚に使用すると重篤な障害を引き起こすおそれがあると分かったという。そのため同センターは、消費者に対してはこのクリームの使用中止を、販売会社には販売中止を、行政には販売会社の通販サイトからの表示削除の要請等、販売できないようにする措置を要請した。

 「点痣膏」に関してはSNSを中心に広告が展開されており、同センターは「広告や通信販売サイトの内容をしっかり確認して、少しでも不安や不明な点がある場合は購入や使用を控えましょう」と呼びかけている。

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