偽造防ぐデザインって 東北芸術工科大・国立印刷局の特別講義

紙幣のセキュリティーデザインについて解説した特別講義=山形市・東北芸術工科大

 国立印刷局の工芸官が紙幣(日本銀行券)などのセキュリティーデザインについて解説する特別講義が13日、山形市の東北芸術工科大で行われた。美術科版画コースの学生らが、最先端の偽造防止技術と芸術とを融合させたデザインに理解を深めた。

 工芸官は、同局が製造する紙幣には品格や威厳、美しさと共に、凹版印刷、すき入れ、ホログラムといった偽造防止技術を取り入れたデザインが施されていることを説明。来年7月3日に発行される新紙幣は、すき入れとホログラムの技術の高度化を図り、ユニバーサルデザインを取り入れたとし「偽造多発などの時代背景を経て技術が進化してきた。制約がある中で、窮屈にならずにいかに美しく見える紙幣にするかが求められている」と述べた。

 同コース1年吉田圭佑さん(19)は「工芸官の努力の積み重ねで紙幣ができていることが分かった。とても尊敬する」と話した。

 特別講義は同局の社会貢献活動の一環で、同大が協力した。一般公開し、計約100人が聴講した。

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