リンゴ作業、トヨタ式で「カイゼン」へ 社員6人、農協施設でアドバイス 青森・弘前市

作業の改善点を見つけてアドバイスするトヨタ自動車の曽根さん(右)=13日午後、弘前市悪戸の河東地区りんご施設

 トヨタ自動車(本社愛知県)が提唱する「トヨタ式カイゼン」で、リンゴ産業の省力・効率化を目指す青森県弘前市の事業が本格化している。13日は、同市のつがる弘前農協の集出荷施設・河東地区りんご施設にトヨタ社員6人が訪れ、楽に作業できるようアドバイスを送った。

 同施設で働く約80人は、平均年齢が約64歳で9割が女性。この日は、高齢者や力の弱い人でも無理せず作業できるよう、リンゴの箱を持ち上げたり、腰をひねったりする回数を減らす方法を考案して指導した。

 同農協りんご部の齋藤誠部長は「生産性だけを考えてしまうが作業員の身体への負担を減らす考えは参考になる」、トヨタアグリバイオ事業部の曽根篤さんは「無理な姿勢の仕事は疲労もたまり安全性も下がる。楽に仕事ができるようになれば生産性も上がる」と話した。

 弘前市は本年度、国から「SDGs未来都市」に選ばれ、国からの補助を受けて高齢化が進むリンゴ産業の継続化を進めている。トヨタによる同施設の視察は10月末から行われており、来年1月に生産者向けのカイゼン塾を開くほか、2月は同市のリンゴ加工・販売「青研」の集出荷施設も視察する。

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