大谷翔平「引退までロスにいたい」ドジャース移籍へ突き動かした4つの裏事情…代理人への意外な配慮も

ドジャースとの10年契約が正式発表された大谷翔平(写真:アフロ)

12月12日(日本時間)にドジャースとの10年契約が正式発表された大谷翔平(29)。契約総額ではプロスポーツ史上最高となる10年間で1014億円(7億ドル)という規格外の契約に、世間が沸いた。

「エンゼルスからFAになり、当初は早々に決まると思われていました。現地からの情報では大リーグのウインターミーティングが終わる12月8日(日本時間)に発表ともいわれていましたが、それから4日間もずれ込む形に。結論がなかなか発表されないなか、メディア関係者も奔走することになりました」(スポーツ紙記者)

スケジュールのズレが示すように、決断までには紆余曲折があったという。大谷を知る関係者がこう明かす。

「大谷選手は最初からドジャースを気に入っていたのですが、代理人のネズ・バレロ氏が最初に推していたのはブルージェイズでした。

日本でいえばドジャースは巨人のようなチームで、ブルージェイズは若手が成長しているオリックスのようなチームです。ブルージェイズは来シーズン優勝を狙っており、『優勝したいのならうちへ来い』と強気な誘い文句で大谷選手を口説いていたそうです」

そんななか、世紀の大型契約はいかにして決まったのか。その裏には、大谷を移籍へと突き動かした4つの事情があったという。

「決めた1つめの理由は、野球選手生活を終えるまでロサンゼルスで生活できることです。大谷選手にとって、ロスは特別な地。『最後までここにいたい』という強い思いがあったそうです。

2つ目は10年間で1014億円という史上最高の契約であれば、代理人のネズ・バレロ氏の面目も保つことができる。そんな気配りもあったようです。

というのも本人が選手生活を終えて10年後から受け取る形になっており、『自分がお金を受け取るよりも、その資金を他の選手の補強に使ってより強いチームにしてほしい』と言っています。後払いは大谷選手がFA交渉に入る前に自ら代理人へ提案してきたもので、その代わりに補強することをドジャースに約束させていました。それくらい、周囲への配慮がある契約だったのです」

さらに、ドジャースというチームにも共感を抱いていたようだ。

「3つ目は、ドジャースの監督の人間性に惹かれたそうです。デーブ・ロバーツ監督はお母さんが日本人で沖縄生まれ。そうしたところからも、親近感があったようですね。

そして4つ目がいちばん大きかったと思いますが、ワールドシリーズに行ける可能性です。日本ハム時代(2016年)に優勝して日本一に。今年はWBCで優勝しました。しかしエンゼルスでは優勝どころか、ワールドシリーズにすら出ていません。

ワールドシリーズに出場して世界一になること。それこそが大谷選手の目標です。もちろんエンゼルスとの再契約もあったと思いますが、それだとワールドシリーズに出る可能性はかなり低くなってしまいますからね。ある意味、当然の選択ともいえるでしょう」

新チームでいったいどんな活躍を見せてくれるのか。今後も大谷旋風は続きそうだ。

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