洞窟深さ35m地点で偶然見つけた昆虫 新種だった 専門家「沖縄の地下にも豊かな生物多様性」 オキナワアシナガメクラチビゴミムシ

本部半島北部の洞窟で見つかったオキナワアシナガメクラチビゴミムシ(田村常雄さん撮影、国立科学博物館提供)

 国立科学博物館(東京都)などの研究者でつくるチームは12日、ゴミムシの新属新種となる「オキナワアシナガメクラチビゴミムシ」を、本部半島北側の洞窟内で発見したと発表した。メクラチビゴミムシは国内では北海道から熊本県にかけて21属380種が見つかっているが、琉球列島では初めて。

 発見されたオキナワアシナガメクラチビゴミムシは体長6~7ミリであめ色の体をしており、国内の他のチビゴミムシと比べて頭部が細く、大あごと上羽が特徴的な形をしている。中国湖北省の洞窟に生息するメクラチビゴミムシとよく似ているという。

 2021年12月に本部半島北部の縦穴洞窟で別の生物調査をしていた株式会社南都の大岡素平さんと東洋コウモリ研究所の田村常雄さんが深さ35メートル地点で偶然発見。同博物館の研究員らで調査結果をまとめ、チェコの国際学術誌で論文を発表した。

 同博物館の柿添翔太郎研究員は「発見は琉球列島が地上部だけでなく、地下にも豊かな生物多様性があることを示している。今後地下の調査が進めば新種が出てくるはずだ」と話した。(社会部・塩入雄一郎)

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