賃上げ税制拡充、半導体企業優遇 与党大綱を決定、防衛増税先送り

2024年度の与党税制改正大綱を決定し、取材に応じる自民党の宮沢税調会長(右)と公明党の西田税調会長=14日午後、国会

 自民、公明両党は14日、2024年度の与党税制改正大綱を決定した。企業向けには賃上げ税制を拡充し、半導体など戦略分野の国内生産を支援する法人税の優遇措置を創設。個人向けには、所得税と住民税で1人当たり計4万円の定額減税を24年6月から実施する一方、高校生年代の子どもがいる世帯の扶養控除は児童手当の拡充を受けて縮小する方針を盛り込んだ。

 防衛力強化のための増税の開始時期は明記せず、来年に結論を持ち越した。政府は大綱に沿って関連法案を作り、年明けの通常国会に提出する。

 賃上げ税制の拡充により物価高を上回る賃金上昇を目指す。大企業の要件を厳格化する一方、中小企業は法人税から賃金増加額の最大45%を減税できるようにして、現行の40%から引き上げる。赤字でも将来の黒字を見込んで減税の権利を最大5年繰り越せるようにする。半導体やEVなどの生産、販売量に応じた法人税の減税措置も創設し、経済安全保障上の戦略分野の国内投資を促す。

 定額減税は、年収2千万円超の富裕層は対象から外す。

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