2024年も韓国ドラマ!何度も観たくなる韓流ラブストーリー5選

「1%の奇跡」(2003年)

一流ホテルを後継する財閥3世の御曹司ジェイン(カン・ドンウォン)と、中流家庭に育った身のかたいヒロイン、ダヒョン(キム・ジョンファ)。出会って恋に落ちる可能性はほぼゼロのふたりの“契約交際”から始まる恋と成長を温かな視点で描き、大ヒットした“伝説”のホームラブストーリー。

物語は、財閥会長でジェインの祖父ギュチョル(ピョン・ヒボン)が、ダヒョンの人柄を気に入り、ふたりを近づけることから始まる。仕事はできるが性格に難アリのジェインを改造しようという魂胆だ。

そうとも知らずダヒョンと交際契約を交わすジェインだが、高校教師のダヒョンに乱暴な言葉づかいを正されたり、挨拶の仕方を注意されたりと、知らぬ間に調教されてしまう始末。文句を言いながらもダヒョンに感化され、わかりやすく変化していくジェインが悶絶するほどいとおしく、人のために動くことのなかった彼が、やがて

「持っているものを全部与えても、まだ何かを与えたい。その気持ちが愛だ」

と人を諭すようになるなど、驚くべき成長にこちらまで幸せな気持ちになってしまう
韓ドラ史上に残る“憎めない”ツンデレ御曹司を演じたのは、当時23歳の新人だったカン・ドンウォン。いまや映画俳優として知られる彼の貴重なラブコメディとしても必見だ。

「宮〜Love in Palace」(2006年)

もし韓国に王室が存在していたら、しかも、国民の憧れ、イケメン皇太子のもとに“平民”女子高生が嫁ぐことになったら……そんな乙女チックな設定で、日本でも“王子ブーム”を巻き起こした大ヒットラブコメディ。

一見冷たいが実は心に寂しさを抱える“ツンデレ”皇太子シン(チュ・ジフン)と、心優しいが静かな強さを持つ“ナイト”なユル(John-Hoon)が、ヒロインのチェギョン(ユン・ウネ)をめぐり、火花をバチバチ散らす “リアル王子”対決に、どれだけときめいただろう

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特に、はじめは冷たい態度のシンが、慣れない宮中生活に苦労するチェギョンのために陰でとりはからったり、ユルの前で「僕の妻だ」と釘を差したりと、“夫”として振る舞う言動はドキドキものだ。さらに、

「お前といると退屈しない」
「心臓が壊れたようにお前のことが気がかりで、顔が見たくなって考えると笑みがこぼれた」

と、心のうちを吐露していくシンに、心が揺さぶられまくり。しきたりだらけの王室で孤独に育ったシンが、家族の愛情に包まれて伸び伸びと育った“異文化”チェギョンと、ぶつかりながらも癒やされ変わっていく展開は、乙女心をくすぐる胸キュン・どストライクなのだ

「応答せよ1997」(2012年)

韓国で第一次アイドルブームが巻き起こった90年代を背景に、当時青春を送った仲間たちの現在まで続く恋の行方を描き出す“応答せよ”シリーズ第1作。

物語は1997年の高校生活を中心に進んでいくが、そこに描かれるエピソードの数々は、誰もの心にある“恋する気持ち”をちくちくと疼かせる。とくに、アイドルの追っかけに命がけの“がさつヒロイン”シウォン(チョン・ウンジ)と、そんなシウォンに振り回され続けている気難しい優等生ユンジェ(ソ・イングク)の幼なじみふたりの「近すぎて伝わらない・気づかない」関係から目が離せない。ふたりの物語には、ドラマチックな出来事や想像を絶する試練が降りかかるわけではないが、彼らが恋と友情のあいだで揺れながら成長していく姿には、恋愛あるあるのリアルなエピソードばかり

何気ない瞬間にやってきたときめき、うまく伝えられないもどかしさ、傷つけたり傷ついたりしながらも、心配でいてもたってもいられない相手

恋する気持ちについて、毎話テーマがあり、響きまくるのだ。
まるで過去の自分の恋でもあるかのように記憶を錯覚させる感覚は、これまでのドラマにないものだった。

「ゴー・バック夫婦」(2017年)

ワンオペ育児に疲れ果てた妻ジンジュ(チャン・ナラ)と、仕事に追われる夫バンド(ソン・ホジュン)。結婚14年目にして離婚を決意した夫婦が、出会った当初の大学時代にふたりそろってタイムスリップしてしまったことから始まる“夫婦再生”ファンタジーロマンスの隠れ名作。

中身は38歳のまま、20歳の大学生に戻ったふたりの、オバサン、オジサンまるだしの言動に爆笑させられる一方、だてに長く生きてきたわけじゃない!年の功ゆえの危機対応力と行動力で、周りの仲間たちの気持ちを察し、あれこれと世話を焼く頼もしさに、若さのエネルギーもいいけれど、経験を積み、「大人になること」って素晴らしい!と思わされることしきり

「悪の花」(2020年)

妻子を愛し、彼らの前で柔らかな笑みを浮かべる男には、知られてはいけない過去があった! 過去を封印し、正体を偽って生きる夫ヒソン(イ・ジュンギ)と、14年間愛し続けてきた夫に疑いを抱き始める刑事の妻ジウォン(ムン・チェウォン)。この愛は本物なのか。夫婦のスリリングで切ない感情の揺れを描いたサスペンスロマンスの傑作。

「明かしてしまおうか、俺がどんな人間なのか——」

冒頭からヒソンの謎めいたセリフで始まり、1話にして衝撃の展開。ヒソンの正体が殺人容疑者ト・ヒョンスであることが早々に明かされ、サスペンスの様相を呈していくが、声を大にして言いたい。

これは、究極の愛の物語だ。
「果たして彼は犯人なのか」はもちろん、「彼の愛は本物なのか」が物語の軸。夫婦の切ない感情のせめぎあいに、心揺さぶられるのだ。


TEXT:高橋尚子(編集・ライター)

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