【ターコイズS/全頭診断】「勝率100%」条件合致で波乱の使者に 荒れるレースを制するのは

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今週は中山競馬場で、第9回ターコイズS(GIII、芝1600m)が行われる。毎年のように波乱決着となる牝馬限定のハンデ重賞。フルゲートの今年も高配当が期待できそうだ。

ここでは馬券検討のヒントとして、出走馬16頭の全頭診断を行う。

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■ターコイズステークス2023 出走予定馬全頭診断

・アナザーリリック

昨年秋以降、自慢の末脚が失われてしまっている現状。一変を望むには酷に映る。

・ウインピクシス

前走福島記念は外枠かつ差し有利馬場の憂き目に遭った。それでも先団でレースを進めて勝ち馬と0秒3差なら上々の内容と言えるだろう。前走から中1カ月半以内のローテーションは【2.1.1.1】と安定。4着の前走から前進する可能性は十分だ。

・キタウイング

当舞台の重賞フェアリーS勝ち馬だが、その後は精彩を欠く競馬が続く。変わり身は望み薄か。

・クリノプレミアム

叩き2戦目は【0.0.0.5】と好走歴のない馬。厳しい。

・コナコースト

春はチューリップ賞、桜花賞と連続2着。その後の2戦を見るより現状はマイルがもっとも合っているのだろう。広いコースに好走が集中している点からトリッキーな中山芝1600m適性は何とも言えないところだが、何らかの印は必要か。

・サウンドビバーチェ

阪神牝馬S勝利、ヴィクトリアマイル5着と実績では上位に入る馬。特にヴィクトリアマイルはソングライン、ソダシ、スターズオンアース、ディヴィーナといったハイレベルな馬を相手に大負けしなかった。当時以来の実戦という点は気がかりも、中山マイルは1戦1勝。印は必要か。

・サーマルウインド

牡馬相手のリステッド競走で好走を続ける近走。信越Sは600m通過34秒0と淀みなく流れたが、3番手から押し切る強い競馬だった。中山芝1600mは3勝を挙げる得意舞台。例年より目立った逃げ先行馬が不在のここは先手を奪っても良いシチュエーションでもあり、必然的に評価は高くなる。

・ソーダズリング

デビュー以来、すべてのレースが直線の長いコース。牡馬相手の3勝クラスを勝ち切った点は立派だが、小回り適性を確認できていないのが現状だ。器用さが求められるこの条件で大きく評価を上げるには至らない。

・ヒップホップソウル

この馬で注目したいのはローテーション。中2カ月以上の休み明けは【0.3.0.1】、馬券外はオークスに限定されている。間隔の詰まった臨戦過程かつ大幅馬体重増の前走は参考外。スタートがやや不安定なところがあるが、得意の中山なら巻き返しの可能性は十分だ。

・フィアスプライド

昨年のこのレース3着馬。当時は斤量53キロでの人気薄激走だったが、牡馬相手の関屋記念4着、前走府中牝馬S4着と見るよりキャリアを重ねて着実にパワーアップしている印象だ。極端な追込脚質ゆえ主軸には据えにくいが、展開や馬場次第で上位進出の可能性は警戒したい。

・フィールシンパシー

12-2月の中山芝1600mは【2.1.0.2】掲示板外なし。自身の持ち時計を更新した前走内容には成長の跡がうかがえたし、軽ハンデを活かした激走に警戒したい。

・ミスニューヨーク

2年連続でこのレースを制している馬。舞台適性を疑う余地はないし、前走京成杯AHは牡馬相手に馬券内を確保した。昨年と同じローテで臨む以上、軽くは扱えない。

・ライトクオンタム

桜花賞以降は終いの粘りを欠く競馬が続いている。復調にはもう少し時間がかかりそうだ。

・ルージュエクレール

右回りは【3.0.0.0】と負け知らず。稍重の洋芝での連勝があるように冬のタフな中山芝適性もあるだろうし、昇級戦でもノーマークにはできない。

・ルージュスティリア

5度の馬券内のうち4度が左回り。狙うなら中京替わりのタイミングか。

・ルージュリナージュ

4勝すべてが左回りというサウスポー。上がり3F33秒台の出る馬場コンディションが合っている印象から、冬の中山芝が合うとは思えない。

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UMAJIN.netより一部編集・転載(2023年12月14日 18:00公開の記事

著者プロフィール

田原基成(たはらもとなり)●競馬評論家
競馬予想の魅力を世に発信し続ける「競馬ストーリーテラー」。予想に対して謎ときに近い魅力を感じており、ローテーション・血統の分野にて競馬本を執筆。現在はUMAJIN内「競馬サロン」にてコラム【競馬評論家・田原基成のいま身につけるべき予想の視点】 執筆中。『SPREAD』ではデータ分析から読み取れる背景を紐解き、「データの裏側にある競馬の本質」を伝えていく。

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