今年は記録的な値上げラッシュ…県民なじみのアレも 広島

クリスマスまであと10日ほどですが、原材料の高騰が続き、街のケーキ店からは苦しい声が聞こえています。クリスマスケーキに欠かせないあの果物にも今年はある異変が…?

パティスリーイオリ 今田伊織オーナーシェフ「生クリームとかの値上げが一番しんどいというかダメージが大きいなと。値上げが多すぎてマヒしている感じがありますね。」

帝国データバンクによると、今年のクリスマスケーキの平均価格は4468円。去年から300円以上も値上がりしました。

パティスリーイオリ 今田伊織オーナーシェフ「今一番大きいのが来年からの入荷改定で乳製品・生クリームバターなどが一律であがるのが上げ幅も大きいのでしんどいですね」

広島市安佐南区のケーキ店では、去年からほぼすべての原材料価格が高止まりに。さらに、来年はじめから乳製品が再び値上げだと通告されました。それでもクリスマスケーキの価格は…

パティスリーイオリ 今田伊織オーナーシェフ「去年と同じ価格でさせてもらっています。年に一度みんながイベントとして楽しめる日なので、値上げでマイナスな気持ちにならずにプラスのままで終わってもらうようにがんばっていきたい」

頑張る店がある中、その原材料は去年の同じ月と比べ卵は約30%、牛乳は約20%ほど値上がり。そしてケーキを彩るイチゴは6~50%と不安定な状況に。

苺ファームべりふる 山本浩市さん「秋までずっと暑かったので、暑いとイチゴの花がつかない。だいぶ今年は遅れ気味です」

広島市安佐南区の農園では、例年12月上旬に収穫が始まるそうですが、今年のイチゴはまだ色づきもまばら…収穫は20日ほどずれ込む予想です。

市内の卸売市場によるとイチゴの出荷量は去年の同じ時期に比べ約2割減少。需要の時期も相まって価格も上がっているということです。

さらに農家を悩ませるのが…

山本さん「きょうは曇っているので20℃ないくらい。(温度が)一定だと育てやすいが、今はとても暖房代も高くなっている。そうすると採算が取れなくなってしまうのでそれでイチゴの収穫が遅れても今はなるべく暖房を使わない管理をしている」

気候に左右されるイチゴの栽培。クリスマスを前に苦渋の選択もありました。

山本さん「クリスマスの準備は早めから行われるので、24日にぎりぎり間に合っても遅い。今年特に遅くなってしまったのでお断りしています」

今年私たちの生活に直撃した物価高や異例の猛暑。クリスマスにまで影響を与えているようです。

帝国バンクによりますと、今年は記録的な値上げラッシュの年となりました。1年間で3万2395品目、去年と比べて約1.3倍。(去年2万5768品目)今月も値上げは続いていて677品目となっています。

今月は広島県民なじみのむすびのむさしも値上げに踏み切りました。若鶏むすびが950円から1100円に、企業努力ではまかないきれず今回の値上げとなったということです。

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