卑劣な特殊詐欺の被害からお年寄りを守るために…金融機関と警察の取り組み

親族や公的機関を装った電話で金をだまし取るなど、静岡県内で相次ぐ特殊詐欺被害。被害を防ぐため現場では金融機関や警察による地道な取り組みが進められています。

被害に遭いかけた60代女性:
「私は絶対引っかからないぞって思っていたら、まんまとひっかかりました」

清水区に住む60代の女性は、詐欺被害に遭う直前でだまされていることに気付いたといいます。

10月、女性の自宅に区役所の職員を名乗る男から電話がありました。

「還付金の戻りがあります。きょうまでです。きょうまでに手続きをしないと、今後の介護保険料の請求金額が高額となります」

女性は慌てて金融機関に行き、電話で指示を受けながら
ATMを操作し始めたところ…

ATM音声:
「電話でお金が戻ってくるとか、お金を用意してとか、言われてない?そういう話は、絶対詐欺だよ気を付けてね」

注意を呼び掛けるアナウンスが耳に入ってきたと言います。

被害に遭いかけた60代女性:
「振り込みって言われた時点で「あ、待てよ」って思った時にそれ(アナウンス)が耳に入ってきて。 そうだよな、これはおかしいかなって思って」

「手続きはきょうまで」「今後高額の請求が続く」といった言葉で、冷静に物事を考えられなかったと振り返ります。

清水区を管轄する清水警察署館内では、今年に入って先月末時点で35件の詐欺被害があり、過去5年を見てみると静岡県内28ある警察署の中で最も件数が多いことが分かります。

ATM音声:
「おじいちゃん、おばあちゃんだまされないで」

女性を救ったこのアナウンス。

JAしみずが清水署と連携し去年8月に導入したものでした。

JAしみず庵原支店 花崎功支店長:
「今回これをつけたことによって、詐欺防止に一翼を担うことが出来て本当にうれしく思っている」

警察官:
「こんにちは 清水警察署の太田と申します」

清水署は被害防止に向けたプロジェクトチームを立ち上げ、高齢者の自宅を訪問するなどしています。

詐欺電話は固定電話にかかってくることが多いため、ナンバーディスプレイや非通知番号の着信拒否など、固定電話機の対策と設定をサポートします。

「着信お断りという機能があります。この中に非通知というものがありますので、設定するというボタンを押して頂きます」

70代女性:
「こうして訪問して実際にあの声と実際に手で、説明してくださることは、分からないこともお願いできる。頼りになる」

清水署 生活安全課 今泉博成警部補
「固定電話機の詐欺防止対策。これを推進していって、皆さまが詐欺に対する意識を高めていただいて、1件でも(被害が)少なくなっていけばいいなと思っている」

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