診療報酬、人件費微増へ 1%前後、政府調整

東京・霞が関の官庁街(手前)。左奥は国会議事堂

 政府は医療機関の収入に当たる診療報酬の2024年度改定で、医療従事者らの人件費などに当たる「本体」部分を1%前後プラスの微増とする方向で調整に入った。人材確保のため賃上げが必要として厚生労働省が1%超の増額を求め、財務省は医療費抑制のため0.2%程度を主張。詰めの協議が続いており、近く改定率を決める。関係者が14日、明らかにした。

 診療報酬改定は年内に行う予算編成の焦点の一つ。本体を増額すれば医療従事者の処遇改善を後押しできる半面、医療費が膨らんで国民の保険料負担は増えることになる。仮に本体を1%引き上げれば、保険料や国費などが追加で計約4800億円必要となる。

 診療報酬は本体のほか、医薬品の公定価格「薬価」で構成する。薬価は1.0%程度の引き下げを検討している。

 診療報酬本体を巡っては、厚労省や日本医師会が、相次ぐ高水準の賃上げを踏まえ、大幅な引き上げを主張。財務省は、医療費を賄う保険料や国費などの負担が増えることを指摘した上で、もうけが多い診療所を中心に引き下げることが必要だとする。

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