【取材】Cento Cuore HARIMAがカップ戦で急浮上!「躍進のワケ」を聞いた

12月9日に行われたKSLアストエンジカップの準決勝、Cento Cuore HARIMA対レイジェンド滋賀は2-0という結果となった。

今シーズンの関西サッカーリーグでは3位と早々に優勝争いから脱落してしまったCento Cuore HARIMA。長くJFL昇格を狙える立場にいるクラブであるが、このところはなかなか地域サッカーチャンピオンズリーグ出場に届いていない。

対するレイジェンド滋賀は今季の関西サッカーリーグでアルテリーヴォ和歌山と優勝争いを繰り広げたクラブで、2位ながら非常に素晴らしいチーム状態を保っていた。

この2チームが衝突したこの準決勝は、やはりというべきかレイジェンド滋賀がペースを握るスタートに。ただ、その展開にCento Cuore HARIMAはなんとか対応し、前半のうちに膠着状態へと持ち込むことに成功する。

そして後半79分、Cento Cuore HARIMAがついに先制点を奪う。高瀬廉のフリーキックから吉永唯人がヘディングで合わせ、そのこぼれ球を途中出場の平谷成矢が押し込んだ。

さらに83分にはこれまた途中出場だった藤田祥史のクロスからファーポストに平谷成矢が飛び込み、フリーで合わせて2点目。投入された選手の活躍により、Cento Cuore HARIMAが2-0と勝利を収めた。

試合後、勝利の立役者となった平谷成矢選手はこの試合について以下のように感想を語っていた。

――勝利と途中出場からの2ゴール、おめでとうございます

1点目は気持ちで押し込んだもの。そして2点目はクロスを冷静に流し込めたゴールです。

途中出場から気持ち込めたシュートを決められてよかったと思います。入ったときは0-0の状態だったので、点を取りに行かないと勝てないと。

その気持ちと、今までチームでやってきたことを継続しながら優勝を目指しているので、それを心がけて。そんな考えを持って試合に入りました。

――「やってきたこと」という話がありましたが、リーグを終えてからどんなことに取り組んできましたか

「相手を見ながらプレーする」というのが一番ですね。戦術というよりは、相手がどのような動きをしていて、どんなところに立っているか。それを見て、僕たちがどんなサッカーをするべきなのか。

そこで試行錯誤しながらピッチの中で変えていって、やるべきことをやる。そんな感じですね。

――一発勝負に力を発揮しそうなチームだなと思っていました。

そうですね、粘り強い選手が多いですし、1点取れれば勝てる自信があります。

今シーズンも引き分けが多かったので、その1点が取れるか取れないかが1年を左右してしまった。それが一番課題だったところだと思います。

ゴール前に飛び込む人数や姿勢というところに今チームとして取り組んでいるんです。やっぱり、点を決めないと勝てないので。

――次は決勝戦ですね。どんな戦いを?

自分たちがやれることをもう一度見つめ直して、今日出た課題をまた次の試合に生かせるようにやっていきたいと思います。

――ありがとうございました!

そして、Cento Cuore HARIMAを選手兼監督として率いている佐野裕哉氏は試合後に以下のように語っていた。

――勝利おめでとうございます、今日の試合の感想は?

前半は非常に入りが固くて、セカンドボールもほとんど拾われてしまって、相手のペースで45分が流れてしまった。

怖がっていたのか、自分たちが準備してきたことがなかなかできなかった。それをもう少し選手たちができていれば…。

ただ、そこに関しても後半は修正できて、思い切って伸び伸びとプレーできる様になったと思います。

――先日契約延長が発表されました。11月という早い時期に決まった理由とは

チームからの信頼を感じますし、大塚代表をはじめとしたチームスタッフからも支持していただいています。

ただ、では自分がどのくらいできたのかといえば…もっとやれたと思いますし、選手たちの能力をもっと引き出すことができたはずです。そこも含めて、「もう一度チャレンジしたい」という気持ちがありました。

その自分の心とチームの思うところがマッチしたのだと思います。

――明日(10日)にはセレクションがあるとお聞きしました。来季JFLを目指すためにどんな選手を求めていますか?

一番は、「サッカーに対して熱い選手」です。サッカーを通して何者かになりたい気持ち。それを一番重要視していますし、Cento Cuore HARIMAはそういう選手の集まりだと思っています。そこが一番大切ですね。

――次は決勝戦ですね。相手はまだこの時点で決まっていませんが、どのように準備しますか?

もちろんフィジカルの向上というところもありますが、「自分たちがどのようにやりたいか」ですね。

それぞれのポジションごとに整理をして、選手たちが迷いなくプレーできています。それを思い切って一週間しっかり準備して、優勝に向かいたいなと思います。

今日も朝早くから多くのサポーターが駆けつけてくれたり、Youtubeやアプリを通して見てくださっているということを聞いています。

応援してくださる方が少しずつ増えてきているのも感じているので、優勝して今年一年を締めくくることができたらと思います。

――ありがとうございました!

KSLアストエンジカップの決勝戦と3位決定戦は12月16日、万博記念陸上競技場で行われる予定だ。

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Cento Cuore HARIMAは13時半からキックオフされる決勝戦で関大FC2008と対戦する。1点を取れるようになって急浮上してきたクラブは、今季の締めくくりをタイトルとともに迎えられるだろうか。

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