【取材】決勝進出の関大FC!J内定の西村真祈&百田真登はどんな存在?

12月9日に行われたKSLアストエンジカップ準決勝、関大FC2008対おこしやす京都ACの試合は4-1という意外な結果となった。

KSLアストエンジカップは関西サッカーリーグ1部と2部の16チーム、さらに決勝トーナメントから街クラブ(枚方FC)とJクラブユース(奈良クラブ)を加えて行われるという異例の大会。

準決勝まで勝ち上がってきた関大FC2008(関西大学の社会人チーム)とおこしやす京都ACはそれぞれ関西サッカーリーグ1部で7位、8位となって2部に降格しており、残されたタイトルへの思いは強かった。

試合はボールを保持することを得意とするおこしやす京都ACが押し込むも、先制したのは関大FC2008。カウンターから金原航大がドリブルで長い距離を持ち上がり、そのまま強烈なミドルシュートを決めた。

その数分後におこしやす京都ACが康起甫のゴールで追いつき、1-1でハーフタイムを迎えるも、後半は一気に関大FC2008へとペースが移る。

47分に関大FC2008の溝口絢人がペナルティエリア右に抜け出してシュートを放ち、再開から間もない時間にリードを奪う。さらにその直後には金原航大の右コーナーキックからDF宮武隼人がヘディングで追加点。関大FC2008のリードは2点に広がった。

そして試合終了間際のアディショナルタイムには、攻め込むおこしやす京都ACの気持ちを破壊するかのように関大FC2008の打越彪乃介がダメ押し弾。

最終的には4-1と大きな差をつけて関大FC2008が勝利を収め、決勝戦へと駒を進めることになった。

試合後、この試合で1ゴール1アシストを決めた金原航大(4回生)は以下のように話していた。

――エグいゴールでしたね。

ボールを運んでいったらゴールが見えたので、思い切って足を振ったら…たまたまかなと思うでんすけど入りました(笑)

あのようなビルドアップは今季やろうとしてきたものなんです。高い位置でボールをもらえるまでの作りは良かったと思います。

――コーナーキックからのアシストも大きかったですね。

そうですね、あれで試合がかなり優位に進められたかなと思います。

――次は決勝戦ですね。

関大FC2008として最後の試合になります。今シーズンは降格してしまったんですけど、いい形で終わりたいです。全力でやりたいと思います。

――ありがとうございました!

また、大きな3点目のゴールをヘディングで叩き込んだ宮武隼人(4回生)は以下のように振り返った。

――勝利おめでとうございます、勝利とゴールの感想は?

前半は結構相手にボールを回されて厳しい展開だったんですけど、後半は相手よりもギアを上げてプレーできたことが勝利に繋がったかなと思います。

ヘディングは自分の武器にしているところだったんですけど、4回生になってからラスト1年のリーグ戦ではなかなか点が決めれられませんでした。

最後にこのような形でコーナーキックからヘディングで点が取れてすごく嬉しいです。

――同じ4回生の金原航大選手からのアシストでしたね。大学4年間振り返ってどうですか?

金原とは1年生の頃からずっと一緒にやっているので、気心の知れた仲です。航大のアシストから決められたのはすごく嬉しいですね。

僕は後期入部組で、加入したのが1年生の10月からだったんです。1年目をほぼ経験していないところから大学サッカーが始まりました。

元々は大学でサッカーもするつもりもなかった。そんなところから、22歳になっても本気でボール追いかけられているというのは…すごく感じさせられるものがあります。

この選択をしたことはやっぱり間違っていなかったな…というのは、振り返って思いますね。

――次は決勝戦ですね。

勝っても負けてもラスト1試合ですし、自分のこのサッカー人生の中でも最後になります。

本当に自分が今までやってきたことを全力で出して、そしてサッカーを楽しむこと、勝負にこだわるということを意識してやっていきたいと思います。

――ありがとうございました!

そして、今年関西大学に入学したばかりの1回生ストライカー溝口絢人選手には「サッカー部で見たJリーグ内定組のFW」についても聞いてみた。

――後半開始直後のゴール。大きい意味がありました。

あのゴールのシーンは、隣に衣川君(衣川智裕)もいたんですけど、やっぱり自分で決めたいというストライカーとしての責任があったので…無理やりでも足を振りました。そこで決められて嬉しかったです。

――今季の関西大学からは西村真祈選手(→FC大阪)、百田真登選手(→奈良クラブ)と二人のFWがJリーグ内定するなど、攻撃陣のレベルが高かった印象です。1年やってみての感想は?

自分の中では、プロ選手ってのは雲の上の存在というか、もはや架空の存在という感じだったんです。

ただ、身近な自分と同じチームの人が実際にJリーグに行くことになって、自分も関西大学のトップチームで出られたらプロも目指せるのかなと感じさせられました。

僕は関大FC(社会人チーム)の方だったのであまり関わりはなかったんですけど、西村真祈くんは味方に要求する量がすごかったです。あれくらい周りに求められる人がプロに行くんだなと思わされました。

百田真登くんは、オフ・ザ・ボールの動きがめちゃくちゃ上手いです。パスを貰った瞬間に相手を剥がしている。だからあれだけゴールを量産できるんだなと思って、とても勉強になりました。

――決勝戦、どんな意識で望みますか?

最後の大会なので、4回生がメインになる大会だとは思っているんですけど、でも自分が主役になるつもりで点を決めて優勝させる。その気持ちで準備して挑みたいと思います。

――ありがとうございました!

<現地取材>関西リーグの大会に「街クラブの高校生」が参加!「枚方FC」がカテゴリを超えて戦えたワケ

10月からグループステージが開幕したKSLアストエンジカップもついに最終日。12月16日の10時30分から3位決定戦、そして13時30分から決勝戦が行われる。

対戦カードは前者がレイジェンド滋賀FC対おこしやす京都AC、後者がCento Cuore HARIMA対関大FC2008だ。会場は万博記念陸上競技場となっている。

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