敦賀原発2号機に「断層のようなもの確認」 原子力規制委が現地調査で指摘、日本原電は再調査方針

敦賀2号機原子炉の北側約300メートルにある試掘溝に入り、原電担当者の説明を受けながら地層を観察する石渡委員(奥の右から2人目)ら=12月14日、福井県敦賀市

 原子力規制委員会は12月14日、日本原電が再稼働を目指す敦賀原発2号機(福井県敦賀市)に関し、審査の焦点となっている原子炉直下の破砕帯(断層)の延長線上にある断層の活動性を確かめる現地調査を始めた。調査団は、原電側が「活断層ではない」として主張する断層の切れ目近くの上部に「断層のようなものを確認した」と指摘、原電は再調査する考えを示した。現地調査は15日までの予定。

 新規制基準では、活断層の上に原子炉を設置することを認めていない。規制委の有識者調査団は2013年に2号機の原子炉直下の断層は活断層の可能性があると認定しており、否定できなければ廃炉が濃厚となる。

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 現地調査は15年の新規制基準に基づく再稼働審査の申請後初めて。規制委の石渡明委員(地質学)と原子力規制庁の審査官の調査団計11人が参加。2号機原子炉建屋の北側約300メートルにある試掘溝で調査した。

 断層のようなものは試掘溝の北西側のり面で確認。原電が現地調査のためにのり面を削ったことで現れたとみられる。調査団は活動性がある断層なのかどうか、原子炉直下の断層の延長線上にある断層とつながっているかどうかを調べて整理し、今後の審査会合で示すよう指摘した。

 石渡委員は記者団に「断層は上部に行くと分岐したりすることがよくある。見落としがないかが非常に大切で、審査資料に含めてもらい、今後議論していく」と述べた。原電の剱田裕史副社長は「専門の調査会社に調査してもらい、評価や確認をしたい」とした。

 敦賀2号機を巡っては、原電の審査資料の無断書き換えや記載の誤りなどが発覚し、これまで審査が2度中断。規制委は4月、申請内容を修正し再提出するよう求める異例の行政指導を行った。原電は8月末に補正書を提出し、9月から審査再開した。

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