マグヌッセン家が支援する14歳の女性ドライバー、ラーセンがフェラーリ育成ドライバーに加入へ

 F1は、今後数年のうちに女性ドライバーを少なくともひとり誕生させることを目指している。それは元F1ドライバーのヤン・マグヌッセンと、息子で現在ハースに所属するケビン・マグヌッセンがサポートしているデンマーク人の14歳、アルバ・フルップ・ラーセンになる可能性が高い。

 フルップ・ラーセンはこれまでカートで輝かしいキャリアを築いてきた。彼女は2022年に初めてフルシーズンを戦い、ジーランド選手権では表彰台フィニッシュを飾り、デンマークおよびノルディック選手権の両方で4位を獲得した。2023年にはミニクラスからジュニアクラスに昇格し、多くのトップリザルトを収めた。

 そんな彼女は、FIAの『女性のモータースポーツ活動推進委員会』がフェラーリ・ドライバー・アカデミー(FDA)との協力で推進している『FIAガールズ・オン・トラック―ライジング・スターズ』のプログラムで今年優勝し、名誉あるFDAに加入する。

 このプログラムには50カ国以上から116人の少女が参加し、数カ月にわたる厳しい選考プロセスが実施されたが、フルップ・ラーセンが現在国際レースにおいて最も才能ある少女だと判断された。フルップ・ラーセンは、選考プロセスの最終段階でドイツのマチルダ・パーツ、オーストラリアのジョアン・シコンテ、エクアドルのドメニカ・アレヤノと対戦した。マラネロのフェラーリ本社とフィオラノのテストコースでは、FDAの専門家が4名の最終候補者たちの身体能力に関するデータを収集し、彼女たちのF1シミュレーターとコースでのF4マシンによる走行を観察した。最終決定は、フリー走行、予選、レースで構成された完全なレースウイークを経て下された。

 FDAの広報担当者は「アルバは際立っていた。彼女は飲み込みが早く、マシンコントロール、安定したレースペースでの走行、フライングラップのスピードにおける能力があるからだ」と述べた。フェラーリは今後のシーズンを通じてフルップ・ラーセンを観察していくことになる。彼女は定期的にマラネロに招かれ、チームの人材発掘担当者が進歩を評価する予定だ。

 フルップ・ラーセンの2024年のプログラムはまだ決定していないが、ゴーカートを続けながら、イタリアのトップチームのプレマ・レーシングで広範囲にわたるF4テストプログラムに参加する可能性が高い。

 フルップ・ラーセンは2023年シーズンを通してマグヌッセン家の支援を受けた。エリック(伝説的なカートメカニック)とヤンの兄弟は彼女のコーチを務め、ケビンは個人的なメンターとしてサポートした。ケビンはフルップ・ラーセンがFDAに加わるというニュースを喜び、「彼女が成功できるポテンシャルを持っていることを確信している。彼女の成長は目覚ましく、そのパフォーマンスはこの業界の一部のビッグネームたちも認めている。アルバのためにとてもうれしく思う。彼女のエキサイティングな旅をフォローするのを楽しみにしている」と語った。

© 株式会社三栄