注目の“原作”映画特集!「伝説のハガキ職人」の私小説を実写化『笑いのカイブツ』ほか〈読んでから観ても、観てから読んでも〉な注目作が続々公開

©︎2023「笑いのカイブツ」製作委員会©2023「怪物の木こり」製作委員会©2024映画『ある閉ざされた雪の山荘で』製作委員会 ©東野圭吾/講談社

Web連載で熱狂的な支持を集め書籍化された“伝説のハガキ職人”ツチヤタカユキによる同名私小説を映画化した『笑いのカイブツ』が、2024年1月5日(金)よりテアトル新宿ほか全国公開となる。

笑いに取り憑かれた男、魂に突き刺さる衝撃の実話

何をするにも不器用、人間関係も不得意なツチヤタカユキの生きがいは、「レジェンド」になるためテレビの大喜利番組にネタを投稿すること。狂ったように毎日ネタを考え続けて6年。ついに実力が認められてお笑い劇場の作家見習いになるが、笑いだけを追求し、常識から逸脱した行動をとるツチヤは周囲から理解されず淘汰されてしまう。自暴自棄になりながらも笑いを諦めきれず、ラジオ番組にネタを投稿する“ハガキ職人”になると、次第に注目を集め、尊敬する芸人から声が掛かるが……。

映像化されて倍面白い!注目の“原作”映画

現在劇場公開中の、第34回柴田錬三郎賞受賞の朝井リョウ原作『正欲』(稲垣吾郎、新垣結衣/岸善幸監督)や、五十嵐律人による法廷ミステリー小説『法廷遊戯』(永瀬廉、杉咲花、北村匠海/深川栄洋監督)など、いま“原作”映画の大ヒットが続いている。

今後も『笑いのカイブツ』を筆頭に、原作が持つ魅力を存分に発揮する実写映画が続々公開予定だ。ということで、この冬から2023年の初夏にかけて公開される「“原作”映画」の注目作をピックアップ。すでに公開中の話題作を含め、読んでから観ても・観てから読んでも楽しめる最新日本映画をチェックしよう。

岡山天音×仲野太賀×菅田将暉『笑いのカイブツ』

原作は“伝説のハガキ職人”ツチヤタカユキの私小説「笑いのカイブツ」(文春文庫)。笑いにのみ人生を捧げる実在の人物の痛いほどに純粋で激烈な半生を、井筒和幸、中島哲也、廣木隆一など名だたる名匠のもとで助監督を務め、本作で満を持しての長編商業映画デビューを果たす気鋭・滝本憲吾監督が映画化した。

主人公のツチヤを演じるのは話題作への出演が続く実力派俳優、岡山天音。さらに、仲野太賀、菅田将暉、松本穂香、片岡礼子ら名優たちが集結し、驚異的なアンサンブルで観客を物語へと引き込んでいく。

原作の勢いと熱量はそのままに、滝本監督をはじめ、NHK連続テレビ小説『ブギウギ』や映画『百円の恋』などで高い評価を受ける足立紳、『きばいやんせ!私』の山口智之、エグゼクティブプロデューサー・成宏基らが脚本を手掛け、原作者ツチヤタカユキ本人も太鼓判を押す、圧倒的な人間ドラマに仕上がっている。

まだまだ公開中!『怪物のきこり』『隣人X 疑惑の彼女』ほか話題作続々

12月1日(金)より公開中『怪物のきこり』は2019年・第17回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞した倉井眉介による同名小説(宝島社文庫・刊)が原作。亀梨和也の主演、鬼才・三池崇史監督のメガホンで映画化したサイコスリラー。

同日公開の『隣人X 疑惑の彼女』は、パリュスあや子著「隣人X」(講談社文庫・刊)を上野樹里と林遣都の共演で映画化した異色のミステリーロマンスとなっている。

12月8日(金)より公開中の福原遥&水上恒司のW主演作『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』は、SNSを中心に話題を集めた汐見夏衛の同名ベストセラー小説(スターツ出版文庫・刊)の映画化作品。戦時中の日本にタイムスリップした現代の女子高生と特攻隊員の青年の切ない恋の行方を描いたラブストーリーだ。

同日公開のアニメーション映画『窓ぎわのトットちゃん』は言わずもがな、黒柳徹子が自身の子ども時代をつづった世界的ベストセラーが原作。トットちゃん役で子役の大野りりあな、校長・小林先生役に役所広司、トットちゃんのパパ役に小栗旬、ママ役に杏、担任の大石先生役に滝沢カレンなど実力派俳優陣が集結している。

ミステリ好きを唸らせた東野圭吾の小説を映画化『ある閉ざされた雪の山荘で』

2024年には、『笑いのカイブツ』の岡山天音も出演する『ある閉ざされた雪の山荘で』(1月12日[金]公開)の原作は、著作の累計発行部数が1億部を突破した“国民的作家”、東野圭吾が1992年に発表した傑作小説(講談社文庫・刊)。

新作舞台の主演の座を争う最終オーディションへの招待状が届く劇団の役者を、重岡大毅、中条あやみ、西野七瀬、堀田真由、戸塚純貴、森川葵、間宮祥太朗が演じる。

『夜明けのすべて』『ハピネス』ほか春~初夏も原作映画ざんまい

2月9日(金)からは、「そして、バトンは渡された」などで知られる人気作家・瀬尾まいこの同名小説の映画化『夜明けのすべて』(水鈴社刊)が公開。原作にオリジナルの要素を加え、ふたりが交流し、少しずつ互いの殻を溶かし合っていく姿を、彼らの見つめる日常の美しさや季節の移ろいとともに捉えている。

そして春には、川村元気によるベストセラー恋愛小説を、佐藤健、長澤まさみ、森七菜の共演で映画化したラブストーリー『四月になれば彼女は』(文春文庫)、初夏には、注目の若手俳優・窪塚愛流と蒔田彩珠のW主演で、「下妻物語」の嶽本野ばらの原作小説を映画化した、自分らしく生きることの大切さを描いた青春ラブストーリー『ハピネス』(小学館文庫・刊)の公開が控えている。

冬から来春にかけて、原作の濃度はそのままに、映画化されてより観客の心に突き刺さる作品が続々公開。ぜひ原作と併せて堪能してみてはいかがだろう。

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