カギは自宅の“砂場”にあり? 永井花奈が2024年こそ開幕ダッシュ

昨今の「円安」でかつてのような米国合宿はハードルが高いのだとか

2023年シーズンの始まりは“最悪”だった。永井花奈は今季開幕からいきなり3試合連続で予選落ちを喫した。

「これは、もう使えん…」。昨年5月頃から球筋をフェードに変えてシード返り咲きを果たし、昨オフも貪欲だった。「とりあえず左から右に曲がってくるボールを打とう、みたいな。ちょっとスライスっぽい感じも入っていた」段階から“上質なフェード”をものにするべく練習を重ねた。一定の手応えとともに迎えたスタートだったが、ドローに近い逆球が出るシーンもあり、悪戦苦闘。その怖さからコースでしっかりと振れなくなって、いったんリセットせざるを得なかったと振り返る。

オフからショットに比重を置いていた分、アプローチとパッティングもしっくりこない。「何とかシードを獲れればいい」と目線を下げるしかなかった序盤を思えば、5試合で3度トップ10入りして最終戦「リコーカップ」に滑り込んだ巻き返しは自己評価できる部分。それでも、「今年みたいな感じはイヤだなーって思うので。スタートダッシュを頑張りたい」。同じ苦しみを味わいたくないから、14日に参加した「ヤマハゴルフ ファンサミット」の会場でも2024年へ向けた調整に思考を巡らせていた。

昨年千葉に建てた自宅はシミュレーションゴルフをほうふつとさせる打席を設置するなど練習環境の充実にもこだわっているだけに、大いに活用したいところ。そこで目をつけているのが「木を植えたり、畑じゃないけど、そういう風に使いたい」と、あえて芝を張らなかった砂地だという。

ベアグラウンドのようになっている2打席分ほどのスペース。フラットで砂質は軟らかく、ボールに対してクリーンにコンタクトする練習には打ってつけだとか。「昔、車庫にネットを張っていた時のものを持ってきて…」。かつての自宅で幼い頃からクラブを振ったガレージを思い起こさせる冬季限定のアプローチ練習場に仕立てるつもりだ。

1日スコアを伸ばせない日があるだけで、大きく順位が下がってしまうツアー全体のレベルアップを実感している。「ダメな時の基準を上げたい。底上げをして、優勝争いがしたい」。来季こそ開幕ダッシュを決めて、2017年以来の2勝目を狙う。(編集部・亀山泰宏)

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