竹田市消防本部、初の女性消防士 井さん「助けを求める人に寄り添いたい」【大分県】

「助けを求める人に寄り添った活動をしたい」と話す井彩夏さん=竹田市会々の市消防本部

 【竹田】竹田市消防本部で初の女性消防士、井(い)彩夏さん(21)が市消防署で救急、消防の業務に励んでいる。「困っている人の所へ早く行って助けたい」と消防の仕事を志し、今年4月に採用された。井さんは「助けを求める人に寄り添った活動をしたい」と意気込んでいる。

 井さんは熊本県阿蘇市出身。子どもの頃から医療ドラマが好きで、将来は人の命を救う仕事に就きたいと思うようになった。高校卒業後に熊本市の専門学校に入り、2年間で救急救命士の資格を取得。在学中の実習先で竹田市消防本部に女性の消防士がいないと聞き、「役に立てるのでは」と応募した。

 県消防学校(由布市)での訓練を経て9月から現場で働き始めた。約3カ月が過ぎ、「3日に1度、24時間の勤務というリズムに慣れてきた。覚えることは多いが、思い描いてきたことができている」と充実した日々を送る。

 現在の同本部庁舎は2014年に完成。その際、女性の採用を想定して仮眠室や浴室を男女別にした。渡辺良夫消防長(59)は「井さんは自己研さんの意欲が旺盛で、心(しん)の強さもある。消防もさまざまな視点から業務を見つめ、より良くすることが求められており、女性消防士が増えてほしい」と期待する。

 竹田市消防署では3小隊が日々、交代して勤務している。井さんは「全小隊に女性が配置されるよう後輩にどんどん入ってきてほしい」と話した。

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