異変…大根2本つかんだ女性警官、そのままスーパーを出る 追いかけた女性警備員79歳に暴行 大根を残して去り、防カメで特定され逮捕 捜査で外出したはずが強盗致傷…担当は詐欺や暴力犯、巡査部長だった36歳

署員が勤務中に万引き 強盗致傷容疑で逮捕=上尾市

 勤務中にスーパーから大根2本を万引し、追跡してきた警備員にけがをさせたとして、埼玉県警捜査1課と上尾署は12日、強盗致傷の疑いで、東松山市高坂、上尾署刑事課巡査部長の女(36)を逮捕した。県警は大根を盗もうとした経緯を調べるとともに、他の万引への関与をほのめかすような供述もしていて、余罪を捜査している。

 逮捕容疑は11日午前10時10分ごろ、上尾市緑丘1丁目の「スーパーバリュー上尾緑丘店」で大根2本(計213円相当)を窃取。女性警備員(79)に発見され、同店駐車場で逮捕を免れるため暴行を加え、1週間の右肘打撲などの傷害を負わせた疑い。容疑を認め「スーパーに行くと商品を取ってしまおうという気持ちになってしまう」と供述しているという。

 県警によると、女は同署刑事課で詐欺事件などの捜査を担当する知能・暴力犯係に所属し、11日は勤務日で勤務時間帯の犯行だった。

 スーパーまでは自転車を利用したとみられる。大根2本を手に会計せずに帰ろうとした際に私服警備員に声をかけられ、振り払った際に転倒させて負傷させた。大根は現場に遺留されていたという。同日午前10時25分に20代の男性店長が110番。防犯カメラに犯行の一部が映っていたことなどから関与が浮上した。

 女は「捜査名目で外に出ていた」と説明していて、県警が犯行に至った詳しい経緯や状況を調べている。

 警察官逮捕を受け、佐藤拓也首席監察官は「被害者や被害関係者に深くおわびする。今後の捜査結果等を踏まえ、厳正に対処する」としている。

© 株式会社埼玉新聞社