学力検査で「探究的な学び」導入へ 長崎県の公立高校入試改革 2025年の受験生から

「探究的な学び」の要素を取り入れた出題の留意点

 長崎県内公立高の入学者選抜制度(全日制・定時制昼間部)改革を巡り、県教委は14日の定例教育委員会で、詳細を報告した。一般選抜の学力検査では、5教科いずれも問題数の2割程度に、子どもが物事の背景を探り主体的に学ぶ「探究的な学び」の要素を盛り込む。
 対象は2025年2月の一般選抜を受験する中学生から。激変する社会の中で、自ら課題を見つけて主体的に判断し解決する力や、情報を基に他者と対話を重ね最適解を導き出す力が求められている点などを踏まえ、「探究」を重視する。
 出題する上での留意点として3点を挙げている。一つは、学習内容と日常的な事柄のつながりを持たせ、受験生に学んだことを実用的に活用して答えさせる。二つ目は学びの過程に着目。結論や結果を問うだけでなく、課題解決に向けた方法を書かせる。さらには、与えられた情報を基に問いを立てさせたり、根拠を明示しながら考えをまとめさせたりする。
 定例教育委ではサンプル問題を提示した。例えば国語は、地元産品を使った商品開発について意見を交わす場面を取り上げ、受験生は、生産者の希望も踏まえて意見をまとめ、合意を得られる提案を回答する。ほかの教科も、日常生活や身近な場面から出題したり、提示された資料を根拠に考えを求めたりする。
 学力検査以外の変更点も定例教育委に報告。高校に提出する志願者の調査書について、中学教諭の負担軽減のため一部簡素化する。
 入試制度改革では、現行の前期選抜と後期選抜を「一般選抜」に一本化。離島・半島部を中心に再募集制度「チャレンジ選抜」を導入する。スポーツや文化活動などで特色のある生徒を対象にした「特別選抜」も設ける。現行より一般選抜の学力検査時期が早まることから、出題の除外範囲も設定した。

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