青森県内の自民国会議員、4人はキックバック「ない」明言 政治資金パーティー裏金問題

 閣僚らの大量交代に発展した自民党安倍派の政治資金パーティー裏金問題を受け、青森県の野党国会議員は14日、「人を代えて済む話ではない」と岸田文雄首相を強く非難した。キックバック(還流)の不記載を巡っては身内の自民国会議員からも「あってはならない話」「説明責任を果たすべきだ」と厳しい意見が出た。

 安倍派の木村次郎衆院議員は「国会終盤に至って、党に対する国民の視線は厳しいものがあり、私自身も含め、襟を正していかなくてはならない」と文書でコメントするにとどめた。問題については「慎重に事実関係を確認する」との従来の見解を繰り返した。

 木村議員を除く青森県の自民4議員は、還流は受けていないと明言した。

 江渡聡徳衆院議員(麻生派)は「派閥として行っていたことにまず驚いた。議員は率先して法を順守すべきで、この問題はいかがなものかという思い」と疑問視。一方、国の経済対策が途上にあり「経済再生の効果を国民が実感できるようになる来年6月ごろまでは岸田政権は耐えなければならない」とも語った。

 神田潤一衆院議員(岸田派)は「本来なら誰かが気付いて改めるべきだった。説明責任をしっかり果たし、国民の批判に向き合って信頼を取り戻していかなければならない」、滝沢求参院議員(麻生派)は「税制の議論や予算編成の大事な時期に問題が浮上した。岸田首相には党総裁として疑惑の解明に指導力を発揮してほしい」と訴えた。

 津島淳衆院議員(茂木派)は「国民の政治不信を招いたことに非常に危機感がある。議員は倫理観を高く持ち、活動の原資が税金であることを決して忘れてはならない」と強調した。

 青森県野党議員は「政治とカネ」は自民全体の根本的な問題だと批判を強めた。立憲民主党の田名部匡代参院議員は「国会で説明責任を果たさない岸田首相が人の首だけ切るとはどういうことか。何度法改正してもカネの問題が繰り返され、選挙や政治の在り方を根本的に変える時期に来ているのでは」と改革を求めた。

 青森市で街頭演説に立った共産党の高橋千鶴子衆院議員は「今回の事態は自民政治そのものが持つゆがみであり、腐敗。数日前に信任した人を更迭するとは矛盾しており、安倍派を一掃しただけでは意味がない」と突き放した。

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