三鷹「太宰の陸橋」で渡り納め 老朽化で解体前にイベント

「三鷹跨線人道橋」の渡り納めイベントの参加者ら=15日午後、東京都三鷹市

 昭和初期に建設され、作家の太宰治とゆかりのある東京都三鷹市の陸橋「三鷹跨線人道橋」で15日、老朽化による解体工事が本格化するのを前に渡り納めイベントがあった。参加者は思い出をかみしめながら別れを惜しんだ。

 橋は全長約90m高さ約5m幅約3m。1929年に建設し、JR三鷹駅の西にあり中央線をまたぐ形で位置する。晩年を三鷹で過ごした太宰のお気に入りの場所とされる。

 参加者は橋で記念写真を撮影したり、通過する列車に手を振ったりしていた。近くに住む主婦の杉村由希子さん(50)は「息子が小さい時によく訪れた思い出の場所。ありがとうと伝えたい。なくなっちゃうのはやっぱり寂しいな」と話した。

「三鷹跨線人道橋」(奥)の渡り納めイベントに参加した人たち=15日午後、東京都三鷹市

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