ワンパークフェス2023の経済効果は9.3億円 2024年は9月7.8日開催…福井の個性さらに追求

多くの人でにぎわった今年の野外音楽祭「ワンパークフェスティバル」=8月、福井県の福井市中央公園

 8月5、6日に福井県の福井市中央公園をメイン会場に開催された野外音楽祭「ワンパークフェスティバル」の実行委員会と福井商工会議所、福井県観光連盟は12月14日、フェスの経済波及効果が昨年比約1億3千万円増の約9億3250万円だったと発表した。また来年の開催日は9月7、8日に決定。さらなる「福井らしさ」を追求し観客数の増加を目指す。

 同フェスは全国でも珍しい中心市街地での野外音楽祭として2019年に始まった。4回目となった今回は木村カエラさんやウルフルズ、スペシャルバンドで椎名林檎さんが登場するなど総勢25組が出演。観客数は両日で、昨年比約2千人増の約1万人を動員した。

 フェスで発生した直接効果は約3億4790万円。チケットや交通・宿泊費、飲食などの費用を積算した。猛暑の影響で飲食費など一部が昨年より減少したが、各項目の累計では上回った。直接効果の金額を基に総務省の産業連関表を用いて算出した波及効果が約5億8460万円だった。

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 実行委は新型コロナウイルスが5類に移行したことや、アーティストの充実などで参加者が増え直接効果が増加し、波及効果も伸びたと分析。参加者の県内・県外比率は50%ずつだった。前回の県内45%、県外55%からの変化について、今回は椎名さんの出演が開催前日に発表され、駆け込み需要で県内参加が伸びたことなどを要因とした。チケットなしで入場可能な「無料ゾーン」にも約1万人が訪れた。

 観客へのアンケート結果では、他人にお勧めしたい割合が昨年より高かった。清水英明企画運営顧問は新たな企画や内容の充実が高い満足度につながっていると説明。「快適性の高さが他のフェスとの違い」とし、開催時期を9月上旬に固定する考えを示した。

 フェスの音楽顧問を務めるジャズバンド「ソイルアンドピンプセッションズ」の「社長」さん=福井県越前市出身=は「まちなかのフェスとして確実に成長している」と振り返った。来春の北陸新幹線県内開業に向け「福井に来る理由になるための真価が問われる。日本中でフェスが開催される中、さらに個性を出していくのがミッション」と意気込んだ。

 来年のフェスチケットは1月中旬に販売開始予定。アーティストのラインアップは3月の新幹線開業までに順次発表する。

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