雅子さま 60歳の“ご感想文書”に健康に関する記述なし!ご快復の裏で続く闘い

お誕生日に際して公開された雅子さまのご近影(写真提供:宮内庁)

12月9日、雅子さまが60歳のお誕生日を迎えられた。これに先立ち、宮内庁を通じて文書で“ご感想”が公表された。雅子さまは書き出しに、

《ちょうど10年前の今日、50歳の誕生日を迎えるに当たり、それまで半世紀を生きてきたことを思い、「不思議な感慨に包まれます」と感想を綴りましてから、いつの間にか10年の月日が経ちました。

光陰矢の如しと申しますが、この10年はあっという間に過ぎたようでもありながら、以前には予期していなかったような様々な出来事や社会の変化のあった10年でもあったように感じます》

宮内庁関係者はこう語る。

「これまで歩まれてきた人生に対して、感慨深い思いを寄せられていることがよくわかる内容であったと言えるでしょう。50歳、60歳という節目を大切にされ、周囲への感謝の気持ちを込められている部分には、客観的に人生を振り返るお心のゆとりを感じました。

大きな自然災害や新型コロナウイルスの猛威、世界中で続く戦争や紛争での災禍にお心を痛めているという一節にも、皇后としてのお務めを果たされることへの前向きさやご視野の広がりをお見受けします。非常に前向きな内容にまとめられたと思いました」

例年、雅子さまの“ご感想”を記した本文には、ご体調について言及する箇所があった。お2021年のご感想には、《私自身の務めを果たしていくことができますように、体調の快復に向けて努力を続けていきたい》と、天皇陛下への感謝とともに記されている。

また昨年は、《これまでの人生を思い返してみますと、29歳半までの前半にも、また、皇室に入りましてからの後半にも、本当に様々なことがあり、たくさんの喜びの時とともに、ときには悲しみの時も経ながら歩んできたことを感じます》と、ご体調がままならず、お務めを思うように果たせなかった時期があったことを示す記述が見られた。

しかし、今年の雅子さまの“ご感想”の本文には、ご体調に言及した箇所がなかったのだ。この点について、皇室ジャーナリストはこう解説する。

「たしかに、60歳という節目を迎えられた“ご感想”にご体調の記述がなかったことは驚きました。2005年からお誕生日のタイミングに“医師団見解”が公表されており、今年も同様に添えられています。さらには、《皇后陛下には、御快復の途上にあり、依然として御体調には波がおありです》と、従来と同じ見解が今回も記されています。

“ご感想”に記述がなく、順調にお出かけの回数が増えているとはいえ、雅子さまのご症状との闘いは現在も続いています。“医師団見解”の文書作成にあたっては、雅子さまもしっかりとご覧になりながら、慎重に推敲されていると聞きます。

長いご療養のなかで“ご体調の波”と向き合われながら、お務めを果たせるようになってはきたものの、ご公務が立て込んだ後はお疲れが残ることもしばしばあるそうです。こうした状況から、今年は地方でのご公務も1泊2日で切り上げる形が続きました。雅子さまは今後、少しでも多い日数をかけて、より多くの国民と交流を重ねていくことを次の目標とされているように感じています」

一人でも多くの国民と、言葉を交わされたいーー。その願いをかなえるために、雅子さまの闘いは今日も続いている。

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