林官房長官、早くも逆風 内閣支持率1割台 吉田松陰にちなみ「総理退陣の時は道連れか」

国会議事堂(資料写真)

 14日午後から首相官邸での任に就いた林芳正官房長官に早くも逆風が吹き付けている。時事通信の最新世論調査(8~11日実施)によると、岸田文雄内閣の支持率は17.1%(前月比4.2ポイント減)で自民党政権復帰(2012年12月)以来の最低を更新し、初めて1割台に落ち込んだ。党内には林氏が尊敬する吉田松陰の非業の死を引き「岸田総理退陣の時には道連れか」(閣僚経験者)との懸念が飛び交っている。

 「総理は信なくば立たずと言い、私もその通りだと思う。国民の信頼なくして政治の安定はあり得ない」。林長官は同日午後、初の定例会見に臨み「個々の世論調査の要因について政府としてのコメントは差し控える」とした上で「17%」への見解を示した。前段は松野博一前長官と同じ原稿読みスタイルだが、後段は自分の言葉で語ろうとする姿勢をうかがわせた。

 「至誠通天」。政界関係者によると、15日の内閣官房職員を集めての着任あいさつでは山口県ゆかりの思想家であり教育者の吉田松陰を引いた。

 「私の郷里の吉田松陰が好んで用いた孟子の言葉。誠と誠意を持って努力すれば必ず天に通じる。そういう言葉をこの胸に刻みながら頑張ってまいりたい」。松陰は信念を曲げなかった結果として幕末に刑死。林氏に近い関係者は「決死の覚悟の表れだ」と解説してみせた。

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