深浦駅3月に無人化 JR「五能線維持のため」

来年3月のダイヤ改正から駅員不在となることが決まった深浦駅=14日、深浦町

 青森県深浦町のJR五能線深浦駅が来年3月16日のダイヤ改正で駅員不在の無人駅となることが15日までに、町やJR東日本秋田支社への取材で分かった。同支社の担当者は「深浦駅は利用者が年々減少しており、五能線を維持するための経営効率化の一環」としている。

 同支社によると深浦駅は、グループ会社の社員2人が所属。うち1人が出勤して午前7時35分から午後4時45分まで切符の販売を行う「業務委託駅」。2022年度の1日平均乗車人員は29人だった。JR各社の指定券、乗車券などが購入できる「みどりの窓口」が無人化に伴って廃止され、最寄りの窓口は鯵ケ沢駅(鯵ケ沢町)か能代駅(秋田県能代市)となる。

 観光列車「リゾートしらかみ」の停車駅でもある深浦駅の無人化について、町総合戦略課の黄金崎芳幸課長は「非常に残念」とした上で、「住民に不便をかけないよう、駅舎や冷暖房、トイレの維持管理や光熱費の負担について、今月からJR側と具体的協議を開始する」としている。

 無人駅はJR各社で増えている。県内では今年3月のダイヤ改正時に津軽線の油川駅(青森市)、奥羽線・五能線の川部駅(田舎館村)が無人化された。油川駅は地域住民が清掃を担う形でトイレの利用が継続され、JR東がストーブから火の心配がないエアコンに切り替えて暖房を維持している。

 川部駅は、無人化に先立ち、トイレのない新駅舎への建て替えが行われたため、村が駅前に仮設トイレを設置した。

 同支社などによると、県内では深浦駅のほかに、次期ダイヤ改正時の無人化の予定はない。

© 株式会社東奥日報社